こんにちは、日本バリスタ協会公認バリスタのにっしーです。
コーヒーを語る上でよく「雑味」という言葉を耳にしますよね。
コーヒーに入るとダメな味という印象ですが、そもそも雑味のあるコーヒーってどんな味がするのかってよくわからなくないですか?
と言うのも、私も初心者の頃は「雑味」の味がよく分からなくて、自分の淹れたコーヒーが成功なのか失敗なのか判断できずに困っていました。
でも、経験を重ねていくと、実は簡単なポイントを押さえるだけで雑味の有る無しを判断できるということに気が付いたんです。
このポイントさえ押さえれば、誰でも雑味が分かるようになるので、あなたのコーヒーが今よりもっとおいしくなりますよ!^^
ここでは日本バリスタ協会認定バリスタであるにっしーが「雑味を見分けるポイント」と「雑味が出にくい淹れ方」について紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてくださいね◎
目次
そもそも雑味とは
本題に入る前に、そもそも雑味とは何なのか一度確認しておきましょう。
雑味とは、主に淹れ方を失敗した時や劣化した豆を使ったときに出てくる、「嫌な苦み(エグみ)」や「渋み」のことを指します。
コーヒー業界では、これらを「コーヒーの風味をダメにする味」として、出来るだけ出さないようにしています。
さて、これでざっくりと「雑味とは何なのか」をつかめましたね。
それでは続いて、雑味の原因について詳しく見ていきましょう。
雑味の原因
雑味の原因としてよく挙げられるのは次の6つがあります。
- 豆の品質劣化
- 過抽出
- 長時間の保温
- 焙煎度
- カビ豆や虫食い豆の混入
- 薄皮から出る渋み
少し多いですが、順に解説をしていきますね^^
豆の品質劣化
コーヒー豆は時間が経つほど品質が劣化し、香りや味が弱くなります。
また、さらに劣化が進むと酸化した油のような匂いが出てくることもあり、特に香りに大きな影響を与えます。
過抽出
過抽出とは文字通り、コーヒーの成分を抽出しすぎている状態です。
コーヒーはお湯を注ぐと最初に酸味が出て、次に苦味、そして抽出しすぎると不快な苦味や渋みが出てきます。
この不快な味は「雑味」の大きな要因になります。
長時間の保温
コーヒーメーカーなどについている保温機能も雑味の原因になります。
熱を加え続けることでコーヒーが劣化し、嫌な苦味や渋みが出てきやすくなります。
30分程度であれば大丈夫ですが、何時間も保温し続けるのはNGですよ。
焙煎度
焙煎度とは豆の焼き具合のことですが、これは雑味の有る無しに直接は関係ありません。
どの焙煎度でも上手に淹れれば雑味は出ませんし、失敗すると雑味が出ます。
では、何が違うかと言うと、雑味の質が変わってきます。
深煎りでは、まとわりつくような「嫌な苦味」が出やすく、浅煎りでは、頬の内側がギュっと収縮するような「渋み」が出やすくなります。
カビ豆や虫食い豆の混入
こういった豆は少し混ざっただけでもコーヒーの風味に大きな影響を与え、「雑味」の原因になります。
しかし最近では生産国の選別技術が向上したことや、販売店でそういった豆をしっかりと取り除いているため、悪い豆が混入することは少なくなってきています。
薄皮から出る渋み
コーヒー豆はもともと薄皮に包まれていますが、そのほとんどは焙煎中に自然と剥がれ落ちます。
しかし中には、薄皮が残ったままになるものもあり、そこから渋みが出ると言われています。
しかしその影響はごくわずかで、プロでも判別することが難しいレベルです。
なので、普段家庭で楽しむ時にはほぼ影響はありません。
一番よくある原因とは?
ここまでで雑味の原因と言われている6つの要素を紹介しました。
それでは、この中で一番よくある原因は何だと思いますか?
- 豆の品質劣化
- 過抽出
- 長時間の保温
- 焙煎度
- カビ豆や虫食い豆の混入
- 薄皮から出る渋み
雑味が出る一番の原因、それは「過抽出」です。
私はこれまでたくさんの失敗したコーヒーを飲んできましたが、雑味が出てしまったコーヒーの9割以上はこの「過抽出」が主な原因です。
つまり、過抽出による雑味が分かれば、失敗したコーヒーを見分けられるということですね。
それではいよいよ雑味を見分けるポイントを見ていきましょう!
雑味を見分けるポイント
雑味を見分けるポイントは、浅煎りと深煎りで変わってきます。
中煎りの場合は両方のポイントに意識を向けるといいですよ^^
それでは順に解説していきます。
[Point.1] 浅煎りの場合
繰り返しになりますが、浅煎りの場合は「渋み」が出やすいです。
なので、この「渋み」があるかどうかを確認していきます。
- コーヒーを一口含み、液体を口全体にいきわたらせる。
- 頬の内側に意識を集中し、キュっと収縮するような感覚があるか確認する。
もし、収縮する感覚があったら、それが「渋み」です。
ちなみに頬の以外にも上唇の裏あたりでも感じ取りやすいですよ。
[Point.2] 深煎りの場合
深煎りの場合に出やすい雑味は「嫌な苦味」でしたね。
今度はこれを見分けるポイントを見ていきましょう。
- コーヒーを一口飲み、舌の奥からノドにかけての感覚に集中する。
- いつまでも苦味が残っていたり、イガイガする感覚があるか確認する。
もし、この感覚があった場合は、「嫌な苦味」が出ている証拠です。
もし、1口目であまり感じなくても、2口、3口と飲み進めるうちにその感覚が強くなっていく場合も多いので、繰り返し確認してみてください。
ひとつ注意してほしいのは、「苦みの強さ」ではなく「苦みが続く長さ」に注目するということです。
たとえ苦味が強く感じても、それがすっと消えていく苦味であれば雑味ではありません。
間違えやすいところなので、気を付けてくださいね◎
雑味が出にくいオススメの淹れ方
それでは最後に雑味を出にくい淹れ方をひとつ紹介していきます。
私がオススメする淹れ方は「後加水法」と呼ばれる淹れ方で、濃いめに淹れたコーヒーを後からお湯で割って飲む方法です。
嫌な苦みや渋みが出る前に抽出を終わらせるため、クリアで飲みやすいコーヒーに仕上がりますよ。
詳しい淹れ方はこちらで解説していますので、是非チェックしてみてくださいね◎
まとめ
ここまでで「雑味を見分けるポイント」と「雑味が出にくい淹れ方」を紹介してきました。
ポイントをつかむには少し慣れが必要かもしれませんが、繰り返し意識することで、必ずわかるようになりますよ。
そうなれば、あなたの淹れるコーヒーもさらにワンランクアップすると思います。
それでは最後に今回のポイントまとめておきますので、振り返りなどにお役立てください。
ここまでお読みいただきありがとうございました!
ではまた次のテーマでお会いしましょう!
・「雑味」が出る6つの原因
- 豆の品質劣化
- 過抽出
- 長時間の保温
- 焙煎度
- カビ豆や虫食い豆の混入
- 薄皮から出る渋み
・雑味の一番の原因は「過抽出」
・過抽出による雑味を見分けるポイント
- コーヒーを一口含み、液体を口全体にいきわたらせる。
- 頬の内側に意識を集中し、キュっと収縮するような感覚があるか確認する。
- コーヒーを一口飲み、舌の奥からノドにかけての感覚に集中する。
- いつまでも苦味が残っていたり、イガイガする感覚があるか確認する。
- 更に2口、3口と飲み続け、イガイガ感があるかさらに確認する。