【プロバリスタ直伝】スタバ「ソロフィルター」の使い方と”さらに”おいしくする入れ方

【プロバリスタ直伝】スタバ「ソロフィルター」の使い方と"さらに"おいしくする入れ方

こんにちは、日本バリスタ協会認定バリスタのにっしーです。
普段はお店でコーヒーを淹れたり、カフェの学校で講師の仕事をしながら、コーヒーの魅力を発信しています^^

さて、今回取り上げるのはスターバックスコーヒーから発売されている「ソロフィルター」です!

ソロフィルターは、スターバックスオリジナルのコーヒードリッパーで、誰でも簡単にコーヒーが淹れられるように考えられた商品なんですよ。

粉をセットしてサッとお湯を注ぐだけでコーヒーが淹れられるので、忙しい朝なんかにはピッタリですね。

私自身、モーニングコーヒーはこれを使って淹れています◎

でも実は。。。

初めて使った時は、公式レシピで淹れたのに「かなり薄いコーヒー」が出来上がってしまったんです。笑

レシピを分析してわかったんですが、スタバ公式のレシピは「出来るだけ雑味を出さない」ことを第一に考えているようです。

しかし、逆に言うと「味が薄くなりやすい」という弱点もあるわけですね。

そこで、ここではソロフィルターの基本的な使い方を紹介するとともに、プロバリスタ考案のさらにおいしく淹れる方法を紹介していきます。

このページを読み終えるころには、ワンランク上のコーヒーを淹れらるようになるので、是非チェックしてみてくださいね◎

ソロフィルターの使い方

では、はじめにスタバ公式のレシピと淹れ方から紹介していきます。

まずはソロフィルターの基本的な構造からみていきましょう。

ソロフィルターの構造

ソロフィルターは3つのパーツから出来ています。

まずはそれぞれの役割を簡単に紹介しますね。

ソロフィルターのパーツ一覧
ソロフィルターのパーツ一覧

本体

ソロフィルター本体を横から見た写真
ソロフィルター本体を下から見た写真

本体には金属製のフィルターがついていて、ここに粉を入れてドリップします。
別途ペーパーフィルターなどは必要ないので、このまま何度でも繰り返し使えますよ。

内蓋(うちぶた)

ソロフィルター内蓋を横から見た写真
ソロフィルター内蓋を上から見た写真

小さな穴がいくつも空いています。
本体に内蓋を重ね、お湯を入れドリップします。
一定のスピードで落ちていくので、安定した抽出が出来ます。

上蓋(うわぶた)

ソロフィルター上蓋の表面の写真
ソロフィルター上蓋の裏面の写真

抽出中に熱が逃げないように被せておくフタです。
内蓋の上に重ねて使います。

組み立て方

ソロフィルターの本体、内蓋、上蓋を組み立てた様子

コーヒーを淹れるときは、本体に内蓋を重ね、さらに上蓋を重ねて使います。

そのままカップに乗せてドリップできるので、簡単ですよ◎

スターバックス公式レシピと淹れ方

それでは次にスターバックス公式の淹れ方を見ていきましょう。

もし「さらにおいしくする淹れ方」を先に知りたいようでしたらこちらからどうぞ^^

公式レシピ

  • コーヒーの粉:10g
    挽き目:中挽き~やや細引き
  • お湯:180g
    温度:90℃

参考:スターバックス公式サイト

粉10gに対してお湯180gは、少しお湯の量が多い印象です。

スターバックスさんとしてはスッキリめのコーヒーを楽しんで欲しいのかもしれませんね。

ちなみに、公式サイトでは「挽き目」と「温度」が書かれていませんでしたが、直接問い合わせたところ快く回答して頂けました^^

淹れ方

  1. カップの上に本体を乗せ、コーヒーの粉を10g入れる
  2. 内蓋をセットし、お湯を180g注ぐ
  3. 上蓋をかぶせてお湯が落ちきるのを待つ
  4. コーヒーが落ちきったら完成

①カップの上に本体を乗せ、コーヒーの粉を10g入れる

ソロフィルターにコーヒーを10g入れる

本体部分にコーヒーの粉を10g入れます。
内蓋を外し忘れないように注意してくださいね。

②内蓋をセットし、お湯を180g注ぐ

ソロフィルターにお湯を180g入れる

お湯を沸かし90℃まで冷ましたら、内蓋をセットしてお湯を注ぎます。
注ぎ方にコツは不要なので、一気に180g入れて大丈夫ですよ。

③上蓋をかぶせてお湯が落ちきるのを待つ

ソロフィルターに上蓋を乗せる

お湯を注いだら上蓋をかぶせます。
後はドリップされるのをゆっくり待ちましょう。

④コーヒーが落ちきったら完成

コーヒーが落ちきったら完成

たった4ステップでコーヒーが出来上がります。
とっても簡単ですよね◎


さて、ここまでが公式通りの使い方です。

実際に使ってみるとソロフィルターの特徴が分かってきました。

簡単にまとめてみたので紹介します◎

ソロフィルターの特徴

やはり、最大のメリットは「使い方が簡単」という点です。
誰でも簡単においしいコーヒーが淹れられるというのはかなり魅力的ですね◎

逆にデメリットとしては、「味が薄くなりやすい」という点です。
もう少し風味をしっかりと出す工夫をするとさらにおいしくなりそうですね。

その他の特徴も合わせてまとめてみたので、参考にしてみてください。

  • 使い方がシンプルで誰でも簡単に淹れられる
    粉を入れて、お湯を注ぐだけ!注ぎ方にコツもいらないので、誰でも安定したコーヒーが淹れられる。
  • コーヒーの香りが強く出やすい
    金属製のフィルターを使用しているため、コーヒーオイルも一緒にドリップされます。そのため、香り豊かなコーヒーに仕上がりやすい。
  • 雑味が出にくい
    比較的短い時間で抽出が終わるように作られているため、雑味が出にくくすっきりと飲みやすいコーヒーに仕上がる。
  • 味が薄くなりやすい
    抽出時間が短く、成分が十分に抽出されないことがあり、味が薄くなりやすい。
  • コーヒーに少量だけ粉が入る
    細かい粉が金属フィルターを通り過ぎてしまうため、コーヒーに粉が入ってしまう。
    味や舌ざわりに大きく影響はないが、少し濁りのあるコーヒーに仕上がる。
  • 一杯ずつしか淹れられない
    たくさん淹れたいときは同じ工程を繰り返す必要がある。

プロバリスタ考案 さらにおいしくする淹れ方

それでは、いよいよさらにおいしくする淹れ方を紹介していきます。

今回は「使い方が簡単」というメリットを最大限活かしつつ、「味が薄くなる」という問題を解決するというコンセプトで淹れ方を考えました。

ほんのひと工夫するだけの簡単な方法なので、ぜひ試してみてくださいね◎

※この淹れ方ではストップウォッチを使用します。スマホでも代用可能です。

ホットコーヒー

レシピ

  • コーヒーの粉:10g
    挽き目:やや細引き
  • お湯:180g
    温度:沸いてすぐ注いでOK

分量は公式レシピと同じですが、挽き目は風味が出やすいように「やや細引き」にしています。また、「使い方が簡単」という強みを更に活かすため、沸かしたてのお湯を使うレシピになっています。

通常、コーヒーの抽出には90℃前後のお湯が良いとされていますが、沸騰したお湯を90℃まで冷ますのって結構時間が掛かるんです。

沸きたてのお湯で淹れられるなら、手間もかからず楽ちんですよね◎
もちろん、味にも妥協はしていませんよ!

それでは、詳しい淹れ方をみていきましょう。

淹れ方

  1. カップの上に本体を乗せ、コーヒーの粉を10g入れる
  2. 内蓋をセットし、お湯を50g注ぎ30秒待つ
  3. 30秒経ったら130gのお湯を注ぎ上蓋をかぶせる
  4. コーヒーが落ちきったら完成

公式との違いはお湯を2回に分けて注いでいるという点です。

「たったそれだけ?」と侮るなかれ!

手順②で”むらし”という工程を入れるだけで、格段に風味がよくなるんです◎

では詳しい手順を見ていきましょう。

①カップの上に本体を乗せ、コーヒーの粉を10g入れる

ソロフィルターにコーヒーを10gセットする

ここまでは公式と同様です。
内蓋を外し忘れに注意し、粉を10g入れましょう。

②内蓋をセットし、お湯を50g注ぎ30秒待つ

内蓋にお湯を50g入れる
そのまま30秒待つ

内蓋をセットしてお湯を50g注ぎます。同時にストップウォッチもスタートしましょう。

最初にお湯を少しだけ入れ、粉全体を湿らせるこの工程を「むらし」といいます。
これによって粉が膨らみ、コーヒーの風味がたくさん出るようになります。

③30秒経ったら130gのお湯を注ぎ、上蓋をかぶせ

ソロフィルターにお湯を130g入れる

30秒経ったら、続いて130gのお湯を注ぎます。
注ぎ方にコツは不要なので、一気に入れて大丈夫ですよ。

注ぎ終わったら上蓋をかぶせます。

④コーヒーが落ちきったら完成

上蓋を乗せ落ちきったら完成

コーヒーが落ちきったら完成です。

落ちきった時点で、ストップウォッチが2分30秒 ~ 3分だとおいしく淹れられた合図ですよ。

では、ゆっくりとコーヒータイムを楽しんでください◎

もし、飲んでみて「味がイマイチだな」と感じたら、こちらを参考にレシピを調整してみてくださいね。

アイスコーヒー

公式ではホットコーヒーの淹れ方しか載っていませんが、やっぱり暑い日にはアイスコーヒーを飲みたいですよね!

ということで、アイスコーヒーのレシピも考えてみました◎

スッキリとした味になるので、ゴクゴクと飲みやすいコーヒーに仕上がりますよ。

レシピ

  • コーヒーの粉:10g
    挽き目:やや細引き
  • お湯:100g
    温度:沸いてすぐ注いでOK
  • 氷:60g(キューブアイス3個ほど)

しっかりと風味を出すため、挽き目をやや細引きにしています。
氷を入れた容器にホットコーヒーを落とし、急冷する方法で淹れていきます。

淹れ方

  1. サーバーに氷を60gほど入れる
  2. サーバーの上に本体を乗せ、コーヒーの粉を10g入れる
  3. 内蓋をセットし、お湯を50g注ぎ30秒待つ
  4. 30秒経ったら50gのお湯を注ぎ、上蓋をかぶせる
  5. コーヒーが落ちきったらよく混ぜる
  6. 氷を入れたグラスに注げば完成

濃いめのコーヒーを氷で急冷する方法で淹れていきます。

こちらもホットコーヒーと同様に”むらし”工程を入れ、しっかりと風味を引き出していきます。

①サーバーに氷を60gほど入れる

サーバーに氷を60g入れる

おおよそ60gで大丈夫です。
キューブアイス2~3個でそのくらいの重さになります。

②サーバーの上に本体を乗せ、コーヒーの粉を10g入れる

ソロフィルターにコーヒーを10gセットする

氷を入れたサーバーの上に本体をセットして粉を10g入れます。
内蓋の外し忘れに注意してくださいね。

③内蓋をセットし、お湯を50g注ぎ30秒待つ

内蓋をセットしてお湯を50g入れる
そのまま30秒待つ

内蓋をセットしてお湯を50g注ぎます。同時にストップウォッチもスタートしましょう。

少量のお湯で粉を湿らせるこの工程を「むらし」と言います。
こうすることで、風味をしっかりと引き出すことが出来ます。

④30秒経ったら50gのお湯を注ぎ、上蓋をかぶせる

さらに50gお湯を注ぐ

30秒たったら、お湯を50g入れます。
注ぎ終わったら忘れずに上蓋を閉めましょう。

お湯の全体量を少なくして、濃いコーヒーを淹れていきます。

⑤コーヒーが落ちきったらよく混ぜる

よくかき混ぜる

コーヒーが落ちきったら、よくかき混ぜてコーヒーを急冷していきます。
氷が溶けきるくらいまで混ぜましょう。

⑥氷を入れたグラスに注げば完成

氷を入れたグラスに注ぐ

氷をたっぷり入れたグラスに注いで完成です!
お湯を注ぎ始めてから2分 ~ 2分30秒くらいで落ちきるとおいしく淹れられた合図ですよ。

それでは、ゆっくりとコーヒーを楽しんでください◎

もし、「味がイマイチだな」と感じた時は、次に紹介する調整方法を参考に、レシピを整えてみてくださいね。

味の調整方法

出来上がったコーヒーを飲んでみると、思ったよりも薄かったり濃かったりすることがあると思います。

そんな時、どうやって味を調整すれば良いのかを紹介していきますね。

味が薄い場合

味が薄い場合のオススメの調整方法は2つあります。

  1. 粉を細かくする。
  2. 粉の量を増やす。

もし、コーヒーミルを持っているのであれば、まずは挽き目を少し細かくしてみてください。

細かくすれば落ちきるまでの時間が長くなり、より濃厚なコーヒーに仕上がります。

ホットなら「2分30秒 ~ 3分」アイスなら「2分 ~ 2分30秒」を目安で落ちきるように調整してみましょう。

また、既に粉の状態のコーヒーを使っている場合は粉量を2gほど増やしてみてください。

粉が増えるとその分風味も出やすくなるので、薄さが解消されます。

味が濃い場合

基本的には薄い場合の逆のアプローチをします。

  1. 粉を粗くする。
  2. 粉の量を減らす。

コーヒーミルを持っているのであれば、挽き目を少し粗くして淹れてみてください。

味が落ち着いて、すっきりとした飲み口に変化しますよ。

ホットなら「2分30秒 ~ 3分」アイスなら「2分 ~ 2分30秒」を目安に落ちきるように調整してみてください。

もし、コーヒーミルを持っていないのであれば、粉量を1g ~ 2gほど減らしてみましょう。

粉が減ると、その分風味が抑えられて飲みやすいコーヒーに仕上がります。

おすすめのコーヒー豆

ソロフィルターで淹れたコーヒーは比較的すっきりめに仕上がります。

そのため軽やかな飲み口が売りの「浅煎り~中煎り」の豆に向いています。

逆に濃厚でコクの深さが売りである「深煎り」の豆では、その良さを十分引き出しきれない可能性がありますので注意してくださいね。

個人的なオススメ豆をいくつか紹介しますので、豆選びの参考にしてみてください◎

エチオピア ナチュラル (浅煎り)

ベリー系やお花に例えられる華やかでフルーティーなコーヒー。
持ち前の爽やかな酸味をソロフィルターを使うことでうまく抽出することが出来ます。

ブラジル ナチュラル (中煎り)

ナッツ系やチョコレート系に例えられるコーヒーらしい香りを持ち、酸味と苦味をあわせ持ったバランスの良いコーヒー。
万人に愛される味で、飲む人に安心感を与えてくれます。

グアテマラ ウォッシュト (中煎り)

ナッツ系やチョコレート系に例えられるコーヒーらしい香りを持ちながらも、どこか柑橘系を思わせる爽やかな香りをもあわせ持つコーヒー。
苦味と共にある爽やかな酸味がすっきりとした後味を演出してくれます。

スターバックスで豆を挽いてもらう時のポイント

スターバックスで購入した豆をその場で挽いてもらうこともあるかと思います。

その時、粉の細かさをどう伝えるかって意外と迷っちゃいますよね。

そういう時はシンプルに「ソロフィルターで使います」と伝えるのがベストです。

よく”番号”で伝える人もいますが、店舗によって使っているグラインダー(豆を粉にする機械)が違うため、番号が同じでも違う粗さになってしまうことがあるので注意してください。

ちなみに、2023年現在では2種類のグラインダーが使用されているそうです。

  • MAHLKONIG(マールクーニック)社製
    中挽き:6番
    やや細引き:5番
  • ditting(ディッティング)社製
    中挽き:5番
    やや細引き:4番

まとめ

今回はスターバックスの「ソロフィルター」について詳しく見ていきました。

ここまでお読みいただきありがとうございます。^^

最後に要点をまとめておくので、あなたのコーヒーライフの参考にしてみてください。

それでは、また次のテーマでお会いしましょう!

【スターバックス公式レシピ】

  • コーヒーの粉:10g
    挽き目:中挽き~やや細引き
  • お湯:180g
    温度:90℃
  1. カップの上に本体を乗せ、コーヒーの粉を10g入れる
  2. 内蓋をセットし、お湯を180g注ぐ
  3. 上蓋をかぶせてお湯が落ちきるのを待つ
  4. コーヒーが落ちきったら完成

【プロバリスタ直伝 さらにおいしく淹れる方法】

[ホットコーヒー]
  • コーヒーの粉:10g
    挽き目:やや細引き
  • お湯:180g
    温度:沸いてすぐ注いでOK
  1. カップの上に本体を乗せ、コーヒーの粉を10g入れる
  2. 内蓋をセットし、お湯を50g注ぎ30秒待つ
  3. 30秒経ったら130gのお湯を注ぎ上蓋をかぶせる
  4. コーヒーが落ちきったら完成
[アイスコーヒー]
  • コーヒーの粉:10g
    挽き目:やや細引き
  • お湯:100g
    温度:沸いてすぐ注いでOK
  • 氷:60g(キューブアイス3個ほど)
  1. サーバーに氷を60gほど入れる
  2. サーバーの上に本体を乗せ、コーヒーの粉を10g入れる
  3. 内蓋をセットし、お湯を50g注ぎ30秒待つ
  4. 30秒経ったら50gのお湯を注ぎ、上蓋をかぶせる
  5. コーヒーが落ちきったらよく混ぜる
  6. 氷を入れたグラスに注げば完成

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にっしー
日本バリスタ協会(JBA)の公認バリスタ。同協会の認定資格で「最高位」にあたるJBA Barista License Level 3 を取得。お店でコーヒーを淹れるかたわら、専門学校で後進への指導もさせてもらっています。 元システムエンジニア→軽く鬱になり退職→30歳にしてバリスタへの転身を決意→食の専門校レコールバンタン入学・卒業→バリスタ兼ブロガーとして『あなたをコーヒーのとりこ』にするための情報を発信しています!