こんにちは、日本バリスタ協会(JBA)公認のバリスタ、にっしーです。
去る、2022年7月27日~7月29日に東京ビッグサイトにおいて、「Tokyo Cafe Show 2022」が開催されましたね。
ご存じの方も多いと思いますが、東京カフェショーとは、日本最大級のコーヒービジネスに特化した展示会です。
3日間の日程で開催されましたが、あなたは参加できましたか?
もしかしたら仕事が忙しくて参加できなかった方もいるかもしれませんね。
そこで!
ここでは、2022年Tokyo Cafe Show の最新情報をサクッと網羅したい方向けに、各社の最新アイテム情報をまとめて紹介していきたいと思います。
なので、今回各ブースで質問したことはたったひとつです。
「今年の最新アイテムは何ですか?」
これだけに絞って、にっしーが厳選した情報を紹介していきたいと思います。
シンプルな質問ですが、業界のトレンドや各社が力を入れているポイントが見えてきますよ◎
ここで紹介するアイテムはプロ向けのものがほとんどですが、
一般の方でも「普段カフェで飲んでいるコーヒー」がどのように作られているのかを知るいい機会かもしれませんよ。
では早速見ていきましょう!
目次
各社の最新アイテム
株式会社フォルトゥーナ [コーヒー豆]
イタリアのMILANI(ミラーニ)社から、新たに4種類のエスプレッソ用コーヒー豆が登場しました。
各商品ごとに、風味や配合比率に違いがあります。
これらの豆は、試験的に輸入していて、今後の動向を見ながら本格的に輸入する品目を検討されるそうです。
今回はこの中でも一番オススメだと言う「グランアロマ」を試飲してきました。
甘みが強く、シルキーな口当たり。
苦みと酸味のバランスが良く、すっきりとした飲み口で、ほのかにドライベリーを覗かせるような繊細な香りを持つエスプレッソでした。
さすがにアラビカ種の割合が高いだけありますね◎
今後エスプレッソ豆の種類を増やしたい方は要チェックですよ。
【お問い合わせ】
株式会社フォルトゥーナ
TEL : 03-6381-7416
Mail : info@fortuna.ne.jp
小川珈琲 [コーヒー豆]
小川珈琲のブースで展示されていたのは新しいコーヒー豆3種で、どれも環境保護を目的とした国際認証を取得しています。
SDGsに配慮した商品と言えますね。
各豆の詳細は以下の通りです。
①イルガチェフェ モカ
生産国:エチオピア
小川珈琲公式サイトより引用
生産者:オロミア農業協同組合
生産地域:イルガチェフェ地区
標高:1,770 ~ 2,200m
品種:エチオピア在来種
精選:ウォッシュド
国際認証:国際フェアトレード認証、有機JAS認証
風味特性:赤ワインのような香りとレッドグレープのような酸味、オランジェットのような甘さを活かした味わいに仕上げました。
②ウーマン イサク
生産国:インドネシア
小川珈琲公式サイトより引用
生産者:ウーマンイサクグループ
生産地域:アチェ州ガヨ地区
標高:1,000 ~ 1,300m
品種:ティムティム、アテン、他
精選:スマトラ式
国際認証:オランウータンコーヒープロジェクト
風味特性:クローブのような香り、キャラメルのような甘さ、ベルベットのようなしっかりとしたコク、長い後味を活かした味わいに仕上げました。
③デカフェ モカ
生産国:エチオピア
小川珈琲公式サイトより引用
生産者:タデGG
生産地域:グジ地区
標高:約2,000m
品種:エチオピア在来種
精選:ナチュラル
国際認証:有機JAS認証
風味特性:エチオピアモカの甘い香りを活かして、調和のとれた味わいに仕上げました。甘い香りとやさしい味わいのカフェインレスコーヒーです。
今回は「ウーマンイサク」と「デカフェ モカ」を試飲してきました。
ウーマンイサクは、インドネシア特有の穀物のような香りがあるが、それが強すぎずクセが少ない。風味としては、苦みとコクがしっかりしていて、ローストアーモンドやダークチョコレートのような香りが印象的です。
デカフェ モカ、はドライベリーやワインを思わせる香りが特徴的。また、キレのある酸味があり、どうしても苦みに寄りがちなデカフェの中で、新たな可能性を感じさせてくれる一品でした。
ナチュラル志向のカフェと相性が良さそうな豆ですね。
気になった方はチェックしてみてください!
【問い合わせ】
小川珈琲
Tel(事業者向け) : 075-313-7400
Email(事業者向け) : ogawa-pro@oc-ogawa.co.jp
株式会社ディーシーエス [エスプレッソマシン]
こちらのマシンはWBC(ワールド バリスタ チャンピオンシップ)の公式マシンとして認定を受けているエスプレッソマシンです。
最大の特徴としては、抽出口に取り付けられた5インチの大型ディスプレイで、抽出の制御やマシンの設定を直感的に行うことが出来ます。
かなり細かく設定値を変更できるので、こだわりのエスプレッソを淹れたい方も満足できると思いますよ。
また、抽出データをグラフで表示できて、味覚だけでなく視覚的に再現性を確認することが出来ます。
さて、気になる使い心地ですがかなり安定感ある印象です。
何度か抽出してみましたが、抽出のブレはほとんどありませんでした。
ちなみにポルタフィルタをグループにはめ込む角度が他社のマシンよりも浅いので、少し慣れが必要かもしれません。
一日にかなりの杯数を出すようなお店では、頼りになるマシンだと思います。
詳細なスペックはこちらの公式サイトにありますので、気になる方は一度見てみてはいかがでしょうか。
【問い合わせ】
株式会社ディーシーエス
TEL : 0798-35-2980
Email : dcs-info@dcservice.co.jp
Melitta Japan [エスプレッソマシン]
イタリアのエスプレッソマシンメーカー「ダラコルテ」の最新モデルが日本でも販売開始されました。
ダラコルテの特徴である「マルチボイラーシステム」や「54mmポルタフィルター」はそのまま引き継ぎつつ、新たな機能が追加されています。
最大の特徴は“抽出中に注湯速度を変えられる”ことです。
ハンドルの倒し具合によって注湯スピードを「3g/秒、5g/秒、7g/秒、9g/秒」の4段階に変速可能で、これによって「前半はゆっくり抽出して、後半は素早く」といった抽出が可能になります。
これにより、エスプレッソの味の幅がさらに広がりますね。
その他にも、パネル部分やスチーム部のデザインが変更され、より使いやすさを考えられた仕様になっています。
注湯スピードがコントロールできることで、バリスタが出来ることの幅が格段に増えています。
こだわりのエスプレッソを追求したい方にはもってこいのマシンですね。
より詳細なスペックは公式サイトの方で見ることが出来るので、そちらもチェックしてみてください!
【問い合わせ】
メリタジャパン公式サイト
ラッキーコーヒーマシン株式会社 [エスプレッソマシン、グラインダー]
こちらはイタリアのランチリオ社で開発されたタンク式のエスプレッソマシンです。
給排水の工事が不要のため導入が簡単なのが特徴です。
抽出口は一つなので、主に小規模な飲食店向きといえますね。
ラッキーコーヒーマシンでは、タンク式のエスプレッソマシンとして、「ラ・マルゾッコ Linea mini」を主に販売していますが、今回の「CLASSE5 1G」はそれよりも少し価格を抑えたミドルタイプのマシンとなります。
抽出はマニュアル式で、抽出口の上にあるボタンを押すと抽出が始まり、もう一度押すと止まります。
また、スチームの強さは若干控えめで、ハイスペックマシンに慣れている人だと弱く感じるかもしれません。控えめと言っても、ミルクのスチームは問題なく出来ます。
全体の使用感としては、見た目や性能が少しカジュアルになっていますが、業務用として問題なく使用できると思います。
エスプレッソは出したいけど、導入コストを抑えたいという方には選択肢の一つになるでしょう。
詳細なスペックはこちらから確認できますよ。
高性能グラインダーとして有名なマルケニッヒ社の小型グラインダーです。
幅 190×奥行 280×高さ 425 [mm] で、小規模なお店でも扱いやすいサイズになっています。
また、ドリップ用からエスプレッソ用まで挽き目の調節が可能で、専用のホルダーを使うことで、ポルタフィルタに直接粉を充填することが出来ます。
使用感としては、粒度の安定感は抜群ですが、グラインドスピードが若干遅めです。
同社のエスプレッソ用グラインダー「E65S」のグラインドスピードが 4g ~ 7g /秒 なのに対し、「X54」は1g ~ 2.8g /秒となっています。
しかし、遅いと言っても、グラインド中に手を放しても大丈夫ですし、刃の回転も設定した秒数で自動停止してくれるので、別の作業と同時進行すればそこまで大きなタイムロスにはならないと思います。
先ほどのエスプレッソマシン同様、小規模なお店での使用に向いているでしょう。
気になる方はこちらのサイトで詳細なスペックを確認できますよ。
【問い合わせ】
ラッキーコーヒーマシン株式会社
GAGGIA [全自動コーヒーマシン]
イタリアのエスプレッソマシンメーカー「GAGGIA」の最新型全自動コーヒーマシンです。
ミルクフォーム部分の形状別に3種類のモデルが発売されました。
上の写真、左側のモデルはスチームを使って自分でミルクを泡立てますが、他の二つはミルクフォームも自動で行ってくれます。
操作はとても簡単で、マシン上部のタッチパネルでドリンクを押すだけで、全自動でドリンクを作ってくれます。
また、豆の量やお湯の温度、ミルクの量なども細かく設定し、そのレシピを保存しておくことが可能ですよ。
メニュー数は5~9種類で、モデルによって変わります。
今回は、最上位モデルである「MAGENTA PRESTIGE」で作ったカプチーノを試飲させてもらいました。
とてもきれいに泡立てられていましたし、仕上がるまでの時間も20~30秒とストレスなく出来上がりました
しかし、どのメーカーの全自動マシンいえることですが、やはりプロが人の手でスチームしたミルクと比べるとキメの細かさやなめらかさに明らかな違いがあります。
ただ、全自動で出来ることを考えると、一長一短といった印象ですね。
詳細なスペックは公式サイトから確認することが出来ますので、気になる方は覗いてみてはいかがでしょうか?
【問い合わせ】
GAGGIA公式サイト
GIFFARD Japan [フレーバーシロップ]
フランスに本社を置くGIFFARD社のフレーバーシロップが日本での販売を開始しています。
このシロップはてんさい糖を100%使用しており、他社のものに比べ「優しい味わい」に仕上がっているとのことです。
実際に試飲してみたところ、角が無く柔らかい印象を受けました。
また、香りのインパクトも強く、特にエルダーフラワーシロップでは、バラやライチを思わせるような華やかでリッチな香りが楽しめます。
現在販売しているのは写真にある6種類となります。
今後は、近日中に8種類、春までに10~20種類の新たなフレーバーを販売する予定だそうです。
購入はAmazonから行うことが出来ます。
価格は1000mlで\3,000ほど。
モナンと比べて100mlあたり+20円くらいしか違わないので、一度試してみるのもアリだと思いますよ。
現状、フレーバーシロップはモナンの1強状態なので、他の店とは一味違うフレーバーラテを出したいという方は要チェックですね。
【問い合わせ】
GIFFARD Japan [ジファール ジャパン]
株式会社 RAISE WORLD [コーヒーはちみつ]
エチオピアのコーヒー原生林から採れたはちみつです。
こちらは市販のはちみつと一緒に試食させてもらいました。
コーヒーのはちみつは市販品と比べて甘みに角が無くとてもマイルドで、後味もしつこくなく、すっきりとしたテイストです。また、コーヒーチェリーを思わせる独特の香りがあり、フルーティな印象を感じさせてくれます。
コーヒー専門店のブランディングとして、スイーツなどに合わせると良いかもしれませんね。
製品の詳細はこちらの公式サイトから確認することが出来ますので、気になる方はチェックしてみてくださいね。
【問い合わせ】
株式会社 RAISE WORLD
TEL : 03-6822-4333
合同会社ZENZO [焙煎機]
こちらはAI制御で半自動化された電気式小型焙煎機で、専用タブレットからプランを選ぶだけで誰でも簡単に焙煎をすることが出来ます。
設定できる項目は、「焙煎量」「焙煎時間」「焙煎度」で、さらに[+]や[ー]ボタンでロースト基準を微調整することも可能です。
設定を変更できるのは上記の項目のみで、その他はこちらで調整することが出来ません。
焙煎に強いこだわりを持つ人よりも、効率的に焙煎したい人向けのマシンと言えますね。
その他、焙煎時の温度変化等をグラフで表示する機能も付いています。
グラフを比較することで、クオリティの維持が簡単にできそうです。
釜のサイズも控えめで、本体もそこまで大きくないので、小規模なお店に向いているかと思います。
製品の詳細は公式サイトで確認することが出来ますので、気になる方はチェックしてみてくださいね。
【問い合わせ】
合同会社ZENZO
まとめ
今回は東京カフェショー2022で聞いた最新アイテムについて紹介しました。
事業者向けのイベントなので、内容が少しマニアックになってしまいましたが、最後までお付き合い頂きありがとうございました。
あなたの興味を引くアイテムはありましたか?
少しでもあなたのコーヒーライフのお役に立っていれば幸いです。
今後もイベントに関する情報を発信していく予定ですので、良ければまた見に来てくださいね◎