こんにちは、日本バリスタ協会公認バリスタのにっしーです。
せっかくお水にこだわったのに、なぜかコーヒーがまずい・・・。
そんな時はもしかしたら水選びに失敗しているのかもしれません。
というのも、私も初心者のころに水選びが原因でまずいコーヒーを淹れ続けていたニガい過去があるんです。。
しかも、有料のミネラルウォーターを使っているのにまずくなることがありました(泣)
実のところ、ミネラルウォーターの中にはコーヒーに向いているものとそうでないものがあるんです。
そこで、ここでは日本バリスタ協会公認バリスタであるにっしーが「コーヒーをまずくするミネラルウォーターの真相」について赤裸々にご紹介していきたいと思いますので、ぜひ参考にしてみてくださいね◎
目次
ミネラルウォーターでコーヒーがまずくなる原因
いきなりですが核心部分からお話ししていきましょう。
ミネラルウォーターを使ったのにコーヒーがまずくなる原因、それは「硬度」にあります。
硬度とは、簡単に言うと水に溶け込んでいるミネラル量のことで(※)、これが多いほど硬度の値が高くなります。(※カルシウムやマグネシウムなど)
そして、この「硬度」が高ければ高いほど、まずいコーヒーができあがってしまうんです!
具体的には、味が薄いコーヒーに仕上がります。
なぜかというと、硬度の高い水にはすでにたくさんのミネラル分が入っていますよね。
そのため、コーヒーの成分が溶け込む”スキマ”が少なく、おいしい成分がうまく抽出されないんです。
以下のような図をイメージすると分かりやすいですね。
図のように硬度が高いと、ミネラル分が多いのでコーヒーの成分はあまり入れません。
しかし、硬度が低い水では、ミネラル分が少ないため、コーヒーの成分がたっぷりと溶け込んでくれます。
これが原因で、硬度の高い水を使うとまずいコーヒーになってしまうんですね。
硬度について
コーヒーがまずくなる原因は「硬度」にあることが分かりましたね。
それでは、コーヒーに向かないミネラルウォーターを見分けるため、硬度についてもう少し詳しく見てきましょう。
硬度の種類
硬度はその高さによって6つに分けることが出来ます。
あなたも「軟水」や「硬水」という言葉を聞いたことがありますよね。
あれも、そのうちのひとつです。
その他にも、以下のような種類があります。
硬度(mg/L) | 種類の名前 |
50より小さい | 軟水 |
50〜100 | 中等度の軟水 |
100〜150 | 軽度の硬水 |
150〜250 | 中等度の硬水 |
250〜350 | 硬水 |
350より大きい | 非常に高度の硬水 |
硬度の確認方法
ミネラルウォーターの硬度を確認する方法はとても簡単です。
実は、商品の成分欄をよく見ると書いてあるんですよ◎
例えばこんな感じです。
コーヒーがまずくなる硬度
硬度の分類と確認方法は分かりましたね。
それでは、話をコーヒーに戻してみましょう。
いったいどの硬度を使うとコーヒーがまずくなってしまうのでしょうか?
それはズバリ「硬度100 mg/L 以上の硬水」です。
表で言うと黄色の部分ですね。
硬度(mg/L) | 種類の名前 |
50より小さい | 軟水 |
50〜100 | 中等度の軟水 |
100〜150 | 軽度の硬水 |
150〜250 | 中等度の硬水 |
250〜350 | 硬水 |
350より大きい | 非常に高度の硬水 |
といっても100 mg/L から急にまずくなるわけではなくて、そのあたりから少しずつ影響が出始めて、高くなるほどその影響も大きくなっていきます。
つまり、おいしいコーヒーを淹れたい場合は「硬度 100mg/L より小さい」水を選ぶのがベストということですね◎
[補足]水道水の硬度
日本の水道水は地域によって差はありますが、ほぼすべてが「軟水」です。
なので、そのままコーヒーに使うことができますよ。
お住まいのエリアの硬度は、各水道局が公開している水質レポートで確認することが出来ますので、気になる方はチェックしてみてくださいね。
都道府県 | 水道水の硬度 |
北海道 | 30 mg/L |
東京 | 60 mg/L |
大阪 | 42 mg/L |
福岡 | 42 mg/L |
沖縄 | 32 mg/L |
代表的な水道水の硬度
[参考]札幌水道局、東京水道局、大阪市公式HP、福岡市水道局、沖縄県企業局
コーヒーがまずくなるミネラルウォーター
ここからは具体的な商品を紹介していきますので、お買い物の参考にしてくださいね。
まずはコーヒーに向かないミネラルウォーターです。
- evian[エビアン]
- Contrex[コントレックス]
- 温泉水99
evian[エビアン]
表示を見ると、エビアンの硬度は304 mg/L ですね。
これは「硬水」にあたるので、残念ながらコーヒーには向きません。。。
エビアンで淹れたコーヒーは味が薄くなりやすく、物足りない印象に仕上がりやすいです。
Contrex[コントレックス]
コントレックスは超硬水として有名ですが、その硬度はなんと1468 mg/L もあります。
これで淹れたコーヒーは、風味が弱くなるだけでなく、変に苦味が強調されてしまいます。
また、硬水特有の喉に引っかかる感覚も強いので、使用は避けた方が良いでしょう。
[番外編]温泉水99
温泉水99の硬度は1.7 mg/L で分類としては「軟水」です。
「あれ?軟水なのにコーヒーに向かないの?」と思いませんでしたか?
このお水、硬度には問題ないのですがpH(ペーハー)値にちょっとクセがあります。
pH値は 0 ~ 14 まであり、7 が中性でそれより大きいとアルカリ性になります。
ラベルを見ると値が9.5 ~ 9.9 となっているので、これはアルカリ性ですね。
実は、アルカリ性の水はコーヒーの酸味を弱くする性質があります。
味のバランスが崩れてしまうことがあるので、使用するのは控えた方が良いでしょう。
コーヒーにおすすめのミネラルウォーター
まずくなるお水は分かりましたが、せっかくならコーヒーにおすすめのミネラルウォーターも知っておきたいですよね^^
以下の商品であれば、安心してコーヒーに使用することが出来ますよ◎
- 南アルプスの天然水
- い・ろ・は・す
- CRYSTAL GEYSER[クリスタルガイザー]
南アルプスの天然水
ラベルを見ると硬度が約 30 mg/L の「軟水」でpH値もほぼ中性ですね。
これを使えば成分がたくさん溶け出してくれますので、豆本来の風味を存分に楽しむことが出来ますよ。
個人的には、コーヒーがクリアに仕上がる印象です。
い・ろ・は・す
こちらは成分欄には硬度の表記がありませんね。
おそらくですが、採水地によって硬度に違いがあるため、表記していないのだと思われます。
しかし、公式HPでは、硬度が100 mg/L 未満であることが明記されているので安心して使用できますよ◎
こちらで淹れたコーヒーは少しまろやかさがプラスされるような印象があります。
CRYSTAL GEYSER[クリスタルガイザー]
表示を見ると硬度は38 mg/L で「軟水」ですね。
国産と硬度がほとんど変わらないので、しっかりとコーヒーの風味を引き出してくれますよ。
個人的には、酸味が華やかなコーヒーに仕上がりやすい印象があります。
おすすめの淹れ方
ここまででコーヒーにぴったりなお水が分かりましたね。
以下のページではバリスタにっしーがおすすめするドリップコーヒーの淹れ方を詳しく解説しております◎
おいしいコーヒーを淹れたい方はぜひのぞいてみてくださいね^^
まとめ
今回は、「コーヒーをまずくするミネラルウォーター」について解説してきました。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
これを参考に、少しでもあなたのコーヒーライフが素敵なものになるよう応援しております!
最後に今回の内容をまとめておきますので、よかったら振り返りにご利用ください。
ではまた次のテーマでお会いしましょう!
ミネラルウォーターでコーヒーがまずくなる原因
- 水の硬度が高いとコーヒーの成分がうまく抽出されず、まずいコーヒーになる。
コーヒーに最適な硬度
- 硬度が100 mg/L より小さいものが理想。
それより大きくなるとコーヒーの味に影響が出てきてしまう。
コーヒーに向かないミネラルウォーター
- evian[エビアン]
- Contrex[コントレックス]
- 温泉水99
コーヒーに向いているミネラルウォーター
- 南アルプスの天然水
- い・ろ・は・す
- CRYSTAL GEYSER[クリスタルガイザー]
おすすめの淹れ方
ミネラルウォーターを管轄する「日本ミネラルウォーター協会」では、硬度を以下のように解説しています。
更に詳しい解説も載っていますので気になる方はチェックしてみてくださいね。