プロが教える!ドリップコーヒーの淹れ方 ~カリタ編~

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こんにちは、日本バリスタ協会公認のバリスタ、にっしーと申します。

今回取り上げるのはハンドドリップコーヒーです。

その中でも癖がなく扱いやすい「カリタ コーヒードリッパー」を使った淹れ方紹介していきます。

世の中にはハンドドリップの淹れ方がたくさん紹介されていますが、
どれがいいのか迷ってしまう方も多いと思います。

中には、プロの目から見るとちょっと残念なものもあったりします。

こちらでは、実際にプロも使っているレシピと淹れ方を特別に紹介していきますので、
初心者の方も安心して挑戦してみてください。

では早速見ていきましょう!

この記事のあらすじ

ハンドドリップに必要なもの】

  • コーヒー豆(中挽き)
  • カリタ コーヒードリッパー(またはその他三つ穴のドリッパー)
  • ペーパーフィルター
  • ドリップポット(急須などでも代用可)
  • サーバー
  • 電子はかり
  • ストップウォッチ

【レシピ(コーヒーカップ約2杯分)】

  • コーヒー豆: 15g
  • お湯: 240g ( = 240ml)

【ドリップコーヒーの淹れ方】

  1. ドリッパーにフィルターとコーヒーの粉をセットする
  2. はかりの上にサーバーを置き、その上にドリッパーをのせる
  3. お湯を40g注ぎ、粉全体を湿らせたら30秒ほど置く
  4. 50g→50g→50g→50gと4回に分けてお湯を注ぐ
  5. ドリッパー内のお湯が落ちきったらドリッパーをはずす
  6. カップに注いで完成!

詳細は本文にて解説しております。是非そちらも読んでみてくださいね!!


ドリップコーヒーに必要な道具

まず初めに、ドリップコーヒーに必要な道具を見ていきましょう。

お手元にあるかチェックしてみてください!


  • コーヒー豆
コーヒー豆
コーヒー豆(中挽き)

お好みのコーヒー豆を用意しましょう。
インスタントではなく、レギュラーコーヒーですね!

粉の粗さは、最初は中挽き程度が良いかと思います。
後程紹介しますが、好みによって粗さを調整しても大丈夫です。

「そんなこと言われも、何を買ったらいいかわからない・・・」
という方も多いですよね。

そんな方は、こちらで豆の選び方も紹介しているので、
ぜひ参考にしてみてください!

  • カリタ コーヒードリッパー (またはその他三つ穴のドリッパー)
カリタ横図
カリタ上図

本ページではカリタ コーヒードリッパー 101-Dを使用します。

このドリッパーはクセが少なく、扱いやすいため、
初級~中級者に向いています

また、横から見ると台形をしていることから、
台形型と呼ばれています。
その他に円錐(えんすい)型があり、この型によって
使用するフィルターの形が変わります。

ここで紹介する淹れ方は、
同様に三つ穴式のドリッパーであれば、代用可能です。

  • ペーパーフィルター
台形フィルター

台形型用のフィルターを用意します。

円錐型用と間違えないように注意しましょう!

ドリッパーの発売元がフィルターも販売している場合が多いので、そちらを購入すると間違いありません。

  • ドリップポット
ドリップポット

ドリップコーヒーを淹れるときに使用する、お湯を注ぐための専用ポットです。

注ぎ口が細く作られており、ゆっくりとお湯を注ぐことができます。

ハンドドリップでは、この「ゆっくり注ぐ」ことが大きなポイントになります。

電気ケトルや急須などでも代用可能ですが、やはり専用のポットの方が格段に注ぎやすいですよ。

  • サーバー
サーバー

ドリップしたコーヒーを受け止める容器です。

ドリッパーを上に乗せコーヒーをドリップします。

マグカップなどでも代用可能ですが、
一度にたくさん淹れるときには用意したいアイテムです。

  • 電子はかり
電子はかり

デジタル式のはかりです。

コーヒー豆や注ぐお湯の量をはかるときに使います。

ドリップ用のはかりには、ストップウォッチ機能が
ついているものもありますよ。

  • 温度計
デジタル温度計

お湯の温度を計るときに使います。

ドリップコーヒーを淹れる際は90℃~85℃がよいとされています。

  • ストップウォッチ
ストップウォッチ

プロがドリップコーヒーのレシピを決めるときは、

「〇〇gのコーヒーの粉に〇〇gのお湯を〇〇秒かけて注ぐ」

という風に決めるのが一般的です。

この「〇〇秒かけて注ぐ」の部分を計るときに使います。

携帯電話のストップウォッチ機能でも代用可能です。

代用する時は、誤ってお湯が掛からないように注意してくださいね!

レシピ

では次に、レシピを見ていきましょう!

はかりを使って、正確に計量してくださいね。

基本レシピ(1杯分)

  • コーヒー豆: 15g
  • お湯: 240g (= 240ml) 

レシピにあるお湯の量は、コーヒーの抽出に使う分量です。

お湯は、抽出以外にもカップや器具のあたために使うので、たっぷりと沸かしましょう。

一度にたくさん淹れる場合

基本レシピは1杯分ですが、もっとたくさんの量を淹れたいときもありますよね。

そんな時は、下の表を参考にしてください。

杯数ごとに最適な分量をまとめてあります。

また、ドリッパーはサイズによって一度に淹れられる杯数が決まっています。
淹れたい杯数に合ったドリッパーを選びましょう。

 2杯分3杯分4杯分5杯分
コーヒー豆27g41g54g67g
お湯480g720g960g1200g

淹れ方

それでは、いよいよ淹れ方を紹介していきます。

順番に解説していきますので、一緒においしいコーヒーを淹れましょう!

    

①お湯を沸かす

まずはお湯を沸かしましょう!

コーヒーの抽出以外にもお湯を使うので、
多めに沸かすのがポイントです。

お湯を沸かす

②フィルターをセットする

初めにフィルターの底と横にあるつなぎ目の部分を
互い違いに折り込みます。

その後、フィルターを広げ、ドリッパーにセットします。

フィルターの折り方_表
表面
フィルターの折り方_裏
裏面

③コーヒーの粉をセットする

セットしたフィルターにコーヒーの粉を入れます。

レシピを参考に、はかりを使って正確に計量しましょう!

粉を入れたら少しゆすって表面を平らにします。

粉をセット

④カップとサーバーを温め、抽出用のお湯を冷ます

お湯をカップとサーバーに注ぎ、温めます。

次に、ポットに残ったお湯を少し冷まします。

ドリップコーヒーには90℃~85℃のお湯が最適とされています。

温度計があれば、計りながら冷ますと間違いないです。

無い場合は、ポットのフタを開けて2~3分置くと
適切な温度帯まで冷めてくれますよ。

⑤サーバーとドリッパーをセットする

サーバーが温まったらお湯を捨て、はかりの上に乗せます。

さらに、サーバーの上に粉を入れたドリッパーを置きます。

最後にはかりの目盛りを0リセットしたら準備完了です!

ドリッパーをセット

⑥お湯を40g注ぎ30秒むらす

お湯が冷めたらいよいよコーヒーを淹れましょう!

まず初めは、粉全体を湿らすように40gのお湯を注ぎます。

注ぎ始めたと同時にストップウォッチもスタートしましょう。

注いだ後、30秒そのまま放置します。

これは「むらし」という工程で、
粉を開かせて味を出しやすくするために行います。

むらし

⑦50g→50g→50g→50gと4回に分けてお湯を注ぐ

お湯を4回に分けて注いでいきます。

3つある抽出穴の上を通るように楕円形にくるくると注ぎます。

1回目はゆっくりと、50g注ぎましょう。

注ぎ終わって、少しお湯かさが落ち着いたら、2回目の50gをゆっくり注いでいきます。

最初はおいしい成分がたくさん出るので、
ゆっくりと注いで味を出してあげましょう。

3回目と4回目は少しスピードを速めて、50gずつ注ぎます。

3回目以降になると、嫌な味(雑味)が出始めるので、
手早く注いでいきましょう。

楕円形にお湯を注ぐ
お湯を注ぐエリア

⑧ドリッパーを外す

お湯が落ちきったらドリッパーを外します。

⑨軽く混ぜてカップに注ぐ

味を均一にするため、サーバーの中でコーヒーを軽く混ぜます。

最後にカップのお湯を捨て、コーヒーを注げば完成です!

好みの味に仕上げるには

ここまでで基本的なコーヒーの淹れ方を紹介しました。

さて、あなたはそのコーヒーを飲んでみて、どのように感じたでしょうか?

「もっと濃厚なコーヒーが好きだな」と感じた方がいるかもしれませんね。

逆に「もっとすっきりしている方が好みだな」と思った方もいると思います。

他にも「もっと苦い方が(または酸味がある方が)いいな」と感じる人もいるでしょう。

「おいしい」と思うコーヒーは人それぞれです。

ここからは、自分が思う「おいしい」コーヒーに近づけるために、
レシピや淹れ方をどのようにアレンジすれば良いか、解説していきたいと思います。

これをマスターすれば、自分にとっても、相手にとっても「おいしい」コーヒーが淹れられるようになりますよ。

 

苦味・酸味の調整

アレンジ方法
  • 苦味を強くしたい場合
    • 焙煎度の深いコーヒー豆を使用する。
  • 酸味を強くしたい場合
    • 焙煎度の浅いコーヒー豆を使用する。

コーヒーの味は、ほぼ「苦味」と「酸味」のバランスで決まります。

そして、それはコーヒー豆の焙煎度でほぼ決まります。

焙煎度とは、コーヒー豆を「どれだけ焼いたか」の度合いを表すものです。

よく焼けば焼くほど色はこげ茶や黒に近くなり、深煎りのコーヒー豆になります。

逆に、明るい茶色ので仕上げた豆が、浅煎りのコーヒー豆です。

苦味・酸味を調整する場合は、豆の色(焙煎度)に注目してコーヒー豆を選びましょう。

濃度感の調節

アレンジ方法
  • 濃厚にな味わいにしたい場合
    • コーヒー豆の量を増やす
    • 1回目のお湯を注ぐ時間を長くする
    • 粉の粗さを細かくする
  • スッキリした味わいにしたい場合
    • コーヒー豆の量を減らす
    • 1回目のお湯を注ぐ時間を短くする
    • 粉の粗さを粗くする

コーヒー豆の量を調整する場合は、±5g以内を目安に調整してみましょう。

時間を調整する場合は、基本レシピの時間±15秒以内で調整するとうまくいきやすいです。

粉の粗さを調整する場合は、「中細挽き~中粗挽き」の範囲で調整すると上手に調整できます。
粉の粗さについての詳細はこちらをご覧ください。

まとめ

ここまでで、プロも使っているレシピと淹れ方を紹介しました!

詳しく紹介しましたので、まだ頭の中が整理しきれていない方もいるのではないでしょうか?

最後に今回のポイントをまとめますので、ぜひお役立てください!

最後までお読みいただきありがとうございました。

Point!

◆ドリップコーヒーに必要なアイテム◆

  • コーヒー豆(中挽き)
  • カリタ コーヒードリッパー(またはその他三つ穴のドリッパー)
  • ペーパーフィルター
  • ドリップポット(急須などでも代用可)
  • サーバー
  • 電子はかり
  • ストップウォッチ

◆基本レシピ◆

  • コーヒー豆: 15g
  • お湯: 240g ( = 240ml)

◆ドリップコーヒーの淹れ方◆

  1. ドリッパーにフィルターとコーヒーの粉をセットする
  2. はかりの上にサーバーを置き、その上にドリッパーをのせる
  3. お湯を40g注ぎ、粉全体を湿らせたら30秒ほど置く
  4. 50g→50g→50g→50gと4回に分けてお湯を注ぐ
  5. ドリッパー内のお湯が落ちきったらドリッパーをはずす
  6. カップに注いで完成!

◆好みの味に仕上げるには◆

  • 苦味を強くしたい場合
    • 焙煎度の深いコーヒー豆を使用する。
  • 酸味を強くしたい場合
    • 焙煎度の浅いコーヒー豆を使用する。
  • 濃厚にな味わいにしたい場合
    • コーヒー豆の量を増やす
    • 1回目のお湯を注ぐ時間を長くする
    • 粉の粗さを細かくする
  • スッキリした味わいにしたい場合
    • コーヒー豆の量を減らす
    • 1回目のお湯を注ぐ時間を短くする
    • 粉の粗さを粗くする


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にっしー
日本バリスタ協会(JBA)の公認バリスタ。同協会の認定資格で「最高位」にあたるJBA Barista License Level 3 を取得。お店でコーヒーを淹れるかたわら、専門学校で後進への指導もさせてもらっています。 元システムエンジニア→軽く鬱になり退職→30歳にしてバリスタへの転身を決意→食の専門校レコールバンタン入学・卒業→バリスタ兼ブロガーとして『あなたをコーヒーのとりこ』にするための情報を発信しています!