[プロバリスタ公認]ドリップで本当に美味しいアイスコーヒーを淹れる方法| ハリオ編

ハンドドリップでのアイスコーヒーの作り方

こんにちは、日本バリスタ協会認定バリスタのにっしーです。
普段はお店でコーヒーを淹れたり、カフェの学校で講師の仕事をしながら、コーヒーの魅力を発信しています。

さて、今回取り上げるのは「ハンドドリップで本当においしいアイスコーヒーを淹れる方法」です。

なかでも、愛用者の多い「HARIO V60 ドリッパー」を使った淹れ方を紹介していきます。


暑い季節に恋しくなるアイスコーヒー。

市販のボトルコーヒーも良いですが、こだわりのアイスコーヒーが自宅で簡単に楽しめたら素敵ですよね。

いろいろな豆が楽しめますし、何よりフレーバーの良さが段違いです!

淹れるにはちょっとしたコツが必要ですが、ポイントを押さえれば誰でも簡単にできます。

ここでは丁寧な淹れ方解説のほか、“味の調整方法”“一度にたくさん淹れる方法”まで紹介していますので、是非参考にしてみてください。

ワンランクアップしたコーヒーライフを一緒に楽しみましょう!

それではさっそく、基本のレシピと淹れ方を紹介していきます。

レシピ(1杯分)

  • コーヒーの粉:16g
  • お湯:150g
  • 氷:60g

とてもシンプルなレシピですね。

今回は、ドリップコーヒーを氷に落として急冷する方法で淹れていきます。

濃いめのコーヒーを淹れたいので、粉を少し細かく挽くのがポイントですよ◎

少なめのお湯と細かい粉で効率よくコーヒーの風味と甘さを引き出していく作戦です!

それでは詳しい淹れ方を見ていきましょう。

淹れ方

  1. ドリッパーにフィルターをセットし湯通しする
  2. サーバーに氷を60g入れる
  3. ドリッパーに粉を16g入れる
  4. 粉全体にお湯を30g注ぎ40秒待つ
  5. お湯を60g注ぐ
  6. もう一度お湯を60g注ぐ
  7. コーヒーをよく混ぜる
  8. グラスに注いで完成

いかがでしょうか?
少し難しそうに感じるかもしれませんが、これから丁寧に解説していくので安心してくださいね。

それでは詳しい淹れ方を見ていきましょう。

使用する道具

HARIO V60 01 ドリッパー
ドリッパー
Hario V60 ペーパーフィルター
ペーパーフィルター
HARIO レンジサーバー 01
サーバー
タイムモアドリップスケール
はかり
Kalita ドリップポット N700
ドリップポット
タニタ デジタル温度計
温度計

淹れ方の詳細

①ドリッパーにフィルターをセットし湯通しする

  • お湯を沸かす
    まずはお湯を沸かしはじめます。
    コーヒーを淹れる以外にも使うので、多めに沸かしてくださいね。
    沸かしている間に、次の工程に進みましょう。
  • ドリッパーにペーパーフィルターをセットする
    写真の赤い部分を折り曲げ、きれいな円錐形になるように広げて、ドリッパーにセットします。
HARIO V60用ペーパーフィルターの折り曲げる部分を示した画像
  • 湯通しをする
    ドリッパーをサーバーの上に乗せ、フィルター全体にお湯をかけます。
    サーバーにたまったお湯は捨てて大丈夫ですよ。
HARIO V60ドリッパーを湯通ししている画像
  • サーバーの粗熱をとる
    サーバーに水を入れ、粗熱を取ります。
    このあと、サーバー内でコーヒーを急冷するので、余分な熱はとっておきます。
    粗熱が取れたら水を捨てましょう。
なぜ湯通しが必要なの?

事前にフィルターを湿らせておくことで、コーヒーのおいしい成分が紙に吸着されるのを防ぎます。また、フィルターの紙臭さを洗い流すという目的もあります。

②サーバーに氷を約60g入れる

アイスコーヒーをドリップするための氷が入ったサーバー
  • サーバーに氷を入れる
    氷を60g入れます。そこまで厳密じゃなくて大丈夫ですよ。
    ちなみに、一般的なキューブ型の氷は1個あたり15g前後です。
    自宅の氷が1個あたり何gなのか測っておくと便利ですね。

③ドリッパーに粉を16g入れる

アイスコーヒー用のコーヒーを計量している様子
  • ドリッパーにコーヒーの粉を16g入れる
    ドリッパーを軽くたたいて、粉を平らに”ならして”おきましょう。
  • はかりをゼロにリセットする
    サーバーとドリッパーをはかりに乗せ、目盛りをゼロにすれば準備完了です。
なぜ粉を平らにするの?

粉が山盛りになっていると、低いところにお湯が集中して、雑味の原因になってしまいます。すべての粉からバランスよく味を引き出すのがおいしく淹れるコツですよ。

④粉全体にお湯を30g注ぎ40秒待つ

コーヒーの粉全体が湿るように注ぎ、蒸らし工程をしている様子
  • お湯を冷ます
    お湯が沸いたらドリップポットに移し、90℃になるまで冷まします。
    なかなか冷えない場合は少しお水を入れても大丈夫ですよ。
  • お湯を30g注ぐ
    お湯が90℃まで冷めたら、粉全体を湿らすようにお湯を注ぎます。
    5秒くらいかけてゆっくりと30g注ぎましょう。
  • 30秒待つ
    そのまま30秒間待ちます。ストップウォッチがあると便利ですよ◎
    この”粉を湿らせてしばらく待つ工程”をコーヒー業界では「むらし」と呼びます。
なぜお湯を冷ます必要があるの?

熱湯を注ぐとコーヒー豆の雑味が出やすくなるため冷ましています。
最適な温度は諸説ありますが、私個人としては85℃~95℃程度と考えています。

なぜ「むらし」が必要なの?

コーヒー豆に含まれる余分なガスを抜くために行います。
これによって粉とお湯が馴染みやすくなり、風味の出方が格段に良くなるんですよ。

⑤お湯を60g注ぐ

コーヒーの粉全体にお湯を注ぎ抽出している様子
  • 60gのお湯をゆっくりと注ぐ
    「むらし」が終わったら、10秒くらいかけてゆっくりと60g注ぎます。
    この時、粉全体に注ぐのがポイントです。
    最初はおいしい成分がたくさん出るので、粉全体から味を引き出してあげます。
  • ドリップされるのを待つ
    お湯の”かさ”が半分くらいになるまで待ちましょう。
    待ち時間は20秒~30秒くらいが目安です。
    “かさ”が適量になったら次の工程に移ります。
待ち時間が20~30秒に入らない時はどうしたらいいの?

粉の粗さが合っていない可能性が高いので、調整してみましょう。
既に粉になっているコーヒーを使う場合は、粉の量を調整します。

  • 20秒より早く落ちてしまう
    →粉をもう少し細かく挽く or 粉の量を少し増やす
  • 30秒以上かかってしまう
    →粉をもう少し粗く挽く or 粉の量を少し減らす

⑥もう一度お湯を60g注ぐ

コーヒーの粉の中心部分にお湯を注いで抽出している様子
  • 60gのお湯をゆっくりと注ぐ
    もう一度、10秒くらいかけて60g注ぎます。
    今度は中心に500円玉くらいの円を描くように注ぎましょう。
    コーヒーのコクと甘さを引き出します。
  • コーヒーが落ちきるまで待つ
    ドリッパー内のお湯が落ちきるまで待ちます。

⑦コーヒーをよく混ぜる

コーヒーと氷をかき混ぜて冷やす
  • コーヒーを混ぜて冷やす
    スプーンを使って、しっかりと混ぜます。
    薄まって丁度良くなるように淹れているので、氷は溶かしきって大丈夫ですよ。

⑧グラスに注いで完成

HARIO V60で淹れたアイスコーヒー
  • コーヒーをグラスに注ぐ
    氷をたっぷり入れたグラスに注いだら完成です。
    では、素敵なコーヒータイムをお楽しみください◎
急冷式コーヒーの特徴

コーヒーを急冷することにより、香りや甘みを逃すことなく閉じ込めることが出来ます。
そのため、豊かな風味ありながら、キリッとした透明感のあるアイスコーヒーに仕上がりやすいです。

 

今回使用した道具の詳細情報

味の調整方法

さて、ここまでで基本となる淹れ方を紹介しました。

しかし、出来上がったコーヒーを飲むと、思ったより薄かったり、逆に濃すぎたりすることもあると思います。

好きなコーヒーは人それぞれなので、そう感じてしまうのも当然ですよね。

なので、ここではよりあなた好みに淹れるためのレシピ調整方法を紹介していきます。

色々とレシピを変えてみて、最高の一杯を作ってみてください◎

調整のコツは、同時にいろいろな条件を変えないことです。

少しずつ調整して、理想の味に近づけていきましょう。

味が薄いとき

調整ポイント
  • 粉の量を増やす または 粉を細かくする

味が薄い時は、今より少し粉の量を増やしてみましょう。

粉が増えれば溶け出すコーヒーの成分も増えるので、味は濃くなります。

まずは1~2gほど増やして淹れてみてください。

また、自宅にコーヒーミルがあるなら、豆の量はそのままで、少し細かく挽くのも効果的です。

粉を細かくすると、より味が出やすくなるので濃いコーヒーに仕上がりますよ。

まずは1メモリほど細かくして淹れてみてください。

味が濃いとき

調整ポイント
  • 粉の量を減らす または 粉を粗くする

味が濃すぎる時は、粉量を少し減らしてみてましょう。

その分、すっきりとした味わいになりますよ。

まずは1~2gほど減らして飲んでみてください。

また、コーヒーミルを持っているなら、豆を粗めに挽くのも効果的です。

粉を粗くすると味が出過ぎるのを防げるので、スッキリ感がでてきますよ。

まずは1メモリほど粗めにして様子を見てみましょう。

もっと苦味が欲しいとき

調整ポイント
  • お湯をゆっくり注ぐ または 深煎りの豆にする

苦味をしっかりと出したいときは、さらにお湯をゆっくりと注いでみてください。

レシピでは3回に分けてお湯を入れています。

その中でも、特に2回目と3回目をゆっくり注ぐと効果的です。

15~20秒かけて60gを注いでみましょう

じっくりと抽出することでしっかりとした苦みに仕上がります。

それでもまだ苦味が足りない場合は、次回買う豆を深煎りにするのもひとつの手です。

深煎りになるほど苦み成分をたくさん含んでいるので、より豊かな苦味が楽しめますよ。

苦味が強すぎるとき

調整ポイント
  • お湯を手早く注ぐ または 浅煎りの豆にする

苦味を抑えたいときは、レシピより手早くお湯を注いでみてください。

レシピでは2回目、3回目のお湯を10秒かけて注いでいます。

これを5~8秒くらいで注ぐようにしてみましょう

素早く抽出を終わらせることで、苦みが出過ぎるのを防ぐことが出来ます。

それでもまだ苦味が強い場合は、次回購入時に浅~中煎りの豆を選ぶのもひとつの手です。

豆の焼き具合が浅くなると、含まれる苦み成分の量も少なくなるので、スッキリした味わいに仕上がりますよ。

一度にたくさん作るときの淹れ方

みんなで飲みたいときや、作り置きをするときなど、一度にたくさん作りたい場面は意外と多いですよね。

大量に作る場合も今回紹介したのと同じ淹れ方で作ることが出来ます。

ただし、ちょっとした注意点があるので紹介しておきます。

注意点
  • 粉量を正しく調整する
  • 正しいサイズのドリッパーを使う

順番に解説していきますね。

粉量の決め方

一度にたくさん作る時は、粉の量を調整する必要があります。

実は、単純に倍々にしていけばいいわけではないんです。

ドリッパーの構造上、単純に2倍、3倍と増やしてしまうと、味が濃くなりすぎてしまいます。

適正な分量を下の表にまとめておいたので目安にしてください◎

大量抽出時の粉量
大量抽出レシピ

ちなみにお湯と氷の量は、単純に2倍、3倍・・・と増やしていけばOKです。

ドリッパーサイズの選び方

今回使用している「HARIO V60」ドリッパーには3つのサイズがあります。

サイズによって一度に淹れられる杯数が決まっているので、作る量に合わせたドリッパーを

選んでください。

  • 透過ドリッパー V60 01 :1~2杯用
  • 透過ドリッパー V60 02 :1~4杯用
  • 透過ドリッパー V60 03 :1~6杯用

参考:HARIO公式サイト

また、ペーパーフィルターのサイズも変わってくるので注意してくださいね。

おすすめのコーヒー豆

それでは最後にアイスコーヒーにおすすめの豆を紹介したいと思います。

ハリオで淹れたアイスコーヒーは雑味が少なくすっきりとした飲み口が特徴です。

そんなハリオアイスコーヒーにピッタリなものをいくつかセレクトしましたので、気になるものが合ったらぜひ試してみてくださいね。

インドネシア
深煎り

インドネシアのコーヒーは、木々が生い茂る大地ような風味とスパイス感が特徴です。酸味は少なく、深みのあるコクとスパイシーなフレーバーで、濃厚な味わいが楽しめます。苦味がしっかりしたコーヒーが好きな人におすすめです。

ケニア
中煎り

ケニアのコーヒーはフルーティー風味が特徴です。カシスや柑橘のフルーツ(特にグレープフルーツ)を思わせるシャープな酸味と、やわらかな苦味とコクがありバランスの良い味わいです。すっきりとした飲み口のアイスコーヒーが好きな人におすすめです。

スターバックスコーヒー【アイスコーヒーブレンド】

最後はお馴染みお店からです。このコーヒーには2種類の豆がブレンドされており、ナッツの甘みやローストした香ばしさと、オレンジのような甘さを一度に楽しむことが出来ます。スッキリ感とコーヒーの芳香感を両立したそんなコーヒーが好みの方におすすめです。

まとめ

それでは、今回の内容をまとめていきます。

ぜひ、おいしいアイスコーヒーを楽しんでみてくださいね。

〇基本レシピ(1杯分)

  • コーヒーの粉(中細挽き):16g
  • お湯(90℃):150g
  • 氷:60g

〇アイスコーヒーの淹れ方

  1. ドリッパーにフィルターをセットし湯通しする
  2. サーバーに氷を60g入れる
  3. ドリッパーに粉を16g入れる
  4. 粉全体にお湯を30g注ぎ40秒待つ
  5. お湯を60g注ぐ
  6. もう一度お湯を60g注ぐ
  7. コーヒーをよく混ぜる
  8. グラスに注いで完成

〇味の調整方法

  • 味が薄いとき
    • 粉の量を増やす または 粉を細かくする
  • 味が濃いとき
    • 粉の量を減らす または 粉を粗くする
  • もっと苦味が欲しいとき
    • お湯をゆっくり注ぐ または 深煎りの豆にする
  • 苦味が強すぎるとき
    • お湯を手早く注ぐ または 浅煎りの豆にする

〇一度にたくさん作る場合の注意点

  • 粉量の調整
大量抽出時の粉量
  • ドリッパーのサイズ
    • 透過ドリッパー V60 01 :1~2杯用
    • 透過ドリッパー V60 02 :1~4杯用
    • 透過ドリッパー V60 03 :1~6杯用

〇おすすめのコーヒー豆

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にっしー
日本バリスタ協会(JBA)の公認バリスタ。同協会の認定資格で「最高位」にあたるJBA Barista License Level 3 を取得。お店でコーヒーを淹れるかたわら、専門学校で後進への指導もさせてもらっています。 元システムエンジニア→軽く鬱になり退職→30歳にしてバリスタへの転身を決意→食の専門校レコールバンタン入学・卒業→バリスタ兼ブロガーとして『あなたをコーヒーのとりこ』にするための情報を発信しています!