こんにちは、日本バリスタ協会公認バリスタのにっしーです。
よく「この豆は〇〇の香りがします」という説明を目にすることってありますよね。
チョコレートやフルーツだったり、スパイスの名前が出てくることもあります。
さて、あなたはその香りにピンときていますか?
恥ずかしながら、私がビギナーだった頃は全然分かりませんでした。^^;
それどころか、どれもこれも「コーヒーの香りがする」としか感じ取れなかったんです。笑
しかも、どうやったら出来るようになるのか分からず、とても困った記憶があります。
もしかすると、今のあなたもそうなのではないでしょうか。
そこで、ここでは日本バリスタ協会認定バリスタであるにっしーが「香りが分からない原因」と「香りを感じ取るコツ」を紹介して参りたいと思います。
このコツをマスターしていけば、普段飲んでいるコーヒーを今より何倍も楽しめるようになりますよ。
中には、私が普段から行っている練習方法も紹介していますので、良かったら参考にしてみてくださいね◎
それではさっそく始めていきましょう!
目次
香りを探すための基礎知識
まず初めに、コーヒーの香りに関する基礎知識をひとつだけ共有しておきたいと思います。
それは「どのコーヒーもベースとなるのは、いわゆる『コーヒーの香り』」だということです。
ごくまれに勘違いをしている方がおられるのですが、例えば「このコーヒーはオレンジのような香りがします」と書いてあっても、オレンジジュースのように、オレンジの香りがストレートに来るわけではありません。
大体の場合は、コーヒーの香りの中に少しオレンジっぽい香りが入っている、くらいのイメージです。
たまに、特徴的な香りがストレートに来るものもありますが、かなり珍しいパターンです。
このように、コーヒーの香りを探すというのは、そういったスケールの話であることをまず理解しておいてください。
そうすれば、この後の話もスッと入ってきやすいと思いますよ◎
それではいよいよ本題に入っていきましょう。
まずは香りが分からない原因から始めていきます^^
香りが分からない原因
コーヒーの香りを判別できない原因は5つほど考えられます。
- そもそも香りを知らない
- 副材料が入ったコーヒーを飲んでいる
- いつも同じコーヒーを飲んでいる
- 古いコーヒー豆を使っている
- コーヒーが冷たい
少し多いですが、順番に解説していきます^^
[原因1] そもそも香りを知らない
香りが分からない原因で一番多いのがこれです。
例えば「洋なしのような香りがします」と言われても、そもそもその香りを知らないと判別できませんよね。
言われてみれば当たり前なんですが、意外と見落としがちです。笑
しかも、香りというのはなかなか記憶に定着してくれないので、余計に判別が難しく感じてしまうんですよね。
せっかくなので、ちょっと簡単な実験で記憶の定着度を確認してみましょう。
チョコレートです。きっと何度も食べたことがありますよね?
それでは上の画像を見ながらその香りを思い出してみてください、と言われたらどうでしょう?
意外と難しいですよね。
おそらくほとんどの人はぼんやりとしか思い出せないと思います。
それほど香りというのは記憶に残りづらいものなんですね。
なので、繰り返し香りを覚え込んでいくのが一番の近道だったりします。
[原因2] 副材料が入ったコーヒーを飲んでいる
牛乳や豆乳、砂糖、シロップなどをまとめて副材料と言います。
こういったもの入っていると、コーヒーの香りと混ざってしまって判別が難しくなります。
これは想像つきますよね。笑
もちろん牛乳やシロップを入れたコーヒーも私は大好きですが、コーヒーの香りを感じるという点においては、やはりそのまま飲むのが一番です。
[原因3] いつも同じコーヒーを飲んでいる
お気に入りのコーヒーがあるというのは素晴らしいことですが、香りの幅を広げるという意味ではあまり良くないことです。
いつも同じ香りにばかり触れていると、新しい発見はありませんからね。
なので、いろいろなコーヒーを飲んでみることは、香りを感じ取る上で重要なポイントになってきます。
なぜかというと、多くの種類を飲むことで、どのコーヒーにも共通する「よくある香り」が分かるようになるからです。
すると不思議なことに、自然と「個性的な香り」の方にも気付けるようになってくるんですよ。
ここに気付けるようになると、グッと香りが取りやすくなります◎
[原因4] 古いコーヒー豆を使っている
コーヒー豆は時間が経つにつれて、どんどん香りが逃げて行ってしまいます。
そのため、古い豆で淹れたコーヒーは香りがとても弱いです。
また、時間が経って豆が酸化してくると、使い古した油のような香りが出てきます。
そうなると本来の香りを感じ取るのが更に難しくなってしまいますよね。
香りを楽しむときは、出来るだけ新鮮な豆を使うのが一番です。
[原因5] コーヒーが冷たい
コーヒーの香り成分は、湯気と一緒に鼻の中に入ってくるものが多いです。
そのため、アイスコーヒーや冷めたコーヒーでは、香りが取りづらくなってしまいます。
出来るだけ熱いうちに香りを楽しむのがベストですよ◎
香りを感じ取るコツ
ここまでで「香りがわからない原因」が見えてきましたね。
次からはいよいよ、香りを感じ取れるようになるための方法やコツを紹介していきます。
ここでは全部で3つのステップに分けて紹介していきますので、ぜひ参考にしてくださいね。
- 香りを覚える
- カテゴリで香りをとらえる
- 食べ物を想像しながら香りを探す
[Step.1] 香りを覚える
ひとつ前の章でもお話ししましたが、「香りを知らない」というのが、香りを感じ取れない原因の一つでした。
実はこの問題、普段の食事でちょっと意識を変えるだけでクリアできてしまうんですよ。
その方法はとってもシンプルで、しっかりと香りを感じながら食べるだけです。
「え、たったそれだけ?」と思われたかもしれませんが、その効果は絶大です。
実は、プロのバリスタでもこの方法を取り入れている人はとても多くて、私もその一人です。
昔、スーパーにあるフルーツを端から順に食べて行くなんてことをしたこともあります。笑
さすがにそこまでしろと言いませんが、普段の食事でちょっと香りに意識を向けるだけでもかなり記憶に残りやすくなります。
特に下の表にあるフレーバーでよく例えられる食べ物は、より意識を集中して食べると、香りの引き出しがどんどん増えていくのでオススメですよ◎
カテゴリ | 品目 |
チョコレート系 | ミルクチョコレート |
ダークチョコレート | |
ナッツ系 | アーモンド |
ピーナッツ | |
カシューナッツ | |
柑橘系 | レモン |
オレンジ | |
グレープフルーツ | |
ベリー系 | ストロベリー(イチゴジャム) |
ブルーベリー(ブルーベリージャム) | |
ラズベリー | |
ドライベリー系 | レーズン |
ドライクランベリー | |
トロピカル系 | マンゴー |
パイナップル | |
バナナ | |
その他フルーツ系 | リンゴ |
モモ | |
マスカット | |
スパイス系 | クローブ |
シナモン | |
ロースト系 | カラメル |
コゲ |
[Step.2] カテゴリで香りをとらえる
コーヒーの香りを判別するときに、いきなり1つに特定しようとするとうまくいかないことが多いです。
そんな時は、まずカテゴリでざっくりと考えてみるのがおすすめです。
カテゴリとは一つ前で登場した「チョコ系」とか「柑橘系」みたいなくくりですね。
コーヒーの香りを取りながら「チョコ系の香りはあるかな?」「柑橘系の香りはどうかな?」と順番に考えていくとピンとくるものがきっと見つかります。
これを感じ取れるだけでもコーヒーの楽しみがぐっと広がりますので、ぜひぜひチャレンジしてみてください◎
[Step.3] 食べ物を想像しながら香りを探す
カテゴリがわかってきたら、次は食べ物の写真を想像しながら香りを感じでみましょう。
例えば「柑橘系」の香りがするな、と思ったらオレンジやレモンの写真をひとつひとつ想像しながら香りを取っていきます。
頭の中でスライドショーしていくみたいな感じですね。
そうすると「あ、これに近い!」という感じで、写真と香りがマッチすることがあります。
そうすると簡単に香りの正体をつかむことが出来ますよ◎
ちょっと慣れが必要なので、最初はゆっくりとゲーム感覚で楽しんでみるといいと思います^^
[付録]フレーバーホイール
最後に香りを感じ取る手助けになる「フレーバーホイール」というものを紹介します。
これは、コーヒーのフレーバーを表現する際に使用される言葉を一覧にまとめたもので、プロのバリスタもよく使います。
これを眺めながらコーヒーを飲むと、香りを感じ取りやすくなりますので、ぜひ使ってみてくださいね^^
まとめ
ここまでで、「香りが分からない原因」と「香りを感じ取るコツ」を紹介してきました。
最後までお読みいただきありがとうございます。
おわりに、今回のポイントをまとめておきますので、振り返りの参考になさってください。
香りが分かるようになると、コーヒーを飲むのがホントに楽しくなります!!
ぜひあなたも香りが取れるようになって、一緒にコーヒーの世界を楽しみましょう。
それでは、また次のテーマでお会いしましょう!
- 香りが分からない5つの原因
- そもそも香りを知らない
- 副材料が入ったコーヒーを飲んでいる
- いつも同じコーヒーを飲んでいる
- 古いコーヒー豆を使っている
- コーヒーが冷たい
- 香りを感じ取るコツ
- 香りを覚える
普段の食事で香りを意識しながら食べる
- カテゴリで香りをとらえる
→カテゴリ一覧表を見る - 食べ物を想像しながら香りを探してみる
→フレーバーによく登場する食べ物の一覧を見る - フレーバーホイールを活用する
→フレーバーホイールを見る
- 香りを覚える