こんにちは、日本バリスタ協会(JBA)公認のバリスタ、にっしーです。
今回取り上げるのはドリップポットです。
おいしいハンドドリップコーヒーを淹れるには必需品となるアイテムですが、実は他の抽出器具でも大活躍してくれます。
コーヒーをたしなむなら、是非1つは持っておきたいですよね。
さて、そんなドリップポットですが、ここ数年で種類が爆発的に増えています。
選択肢が増えるのは素晴らしいことですが、その分選ぶのが難しくなってしまうのが世の常ですよね。
あなたもデザインやレビュー数を見て何となく選ぼうとしていませんでしたか?
もちろんそれもOKなんですが、決して安いものではないので、しっかりといいものを選びたいですよね。
そこで、ここでは「プロはいったいどこを見て選んでいるのか!?」を5つのポイントに分けて解説していきたいと思います。
最後にはにっしー激推しのおすすめポットも紹介しておりますので、是非最後まで楽しんでいってください!
目次
ドリップポットを選ぶ5つポイント
Point.1 電気ケトルタイプ or 従来型
従来型のドリップポットは別で沸かしたお湯を移し替えて使用することが多いです。
しかし最近では、注ぎ口が細くなったタイプの電気ケトルも多く販売されています。
お湯を沸かしてそのままドリップできるのでとても便利ですよね。
また、中にはお湯の温度を指定できるものもあり、最適な温度でコーヒーを淹れることが出来ます。
但し、電気ケトルタイプを選ぶ際に注意しなければならない点がひとつあります。
それは「重さ」です。
ポット自体に加熱用のパーツが組み込まれているため、どうしても本体が重くなってしまいます。
実際にドリップするときは、さらにお湯も加わるので、お湯のコントロールがブレやすくなります。
1、2杯程度なら大丈夫ですが、何度もドリップしているとだんだんと腕が疲れてきてしまいます。
特に力の弱い女性などは注意が必要です。
なので、購入前に家電量販店などで重さを確認してみるのも良い手だとおもいますよ◎
Point.2 容量
ポットに入るお湯の量も重要なチェックポイントです。
大きければよいと考えがちですが、実はそうでもないんですよ。
一般的な家庭で楽しむのであれば、500ml ~1000ml サイズのポットをおすすめします。
なぜなら、これくらいのサイズ感が一番お湯を注ぐスピードをコントロールしやすいからです。
これより少ないとポット自体が小さすぎて扱いづらく、また、お湯の温度も下がりやすくなってしまいます。
逆に、これより多いとポットとお湯が重たすぎてこれまた扱いが難しくなります。
おすすめの範囲内であればこのようなことは起こりにくいので、参考にしていただけたらと思います。
Point.3 フタの形状
フタの有無
小さめのドリップポットにはフタが無いものがあります。
出来ればフタのあるものを選んだ方が良いですね。
理由は二つあります。
ひとつ目の理由はわかりやすいですね。
フタが無いとドリップ中にお湯の温度がどんどん下がってしまいます。
これでは安定した抽出に向きませんよね。
ふたつ目は特にドリップ中を想像してもらうと分かりやすいと思います。
お湯を注ごうとポットを傾けすぎると、上からお湯がこぼれてしまうことがあります。
へたをするとヤケドをしてしまうので、やはりフタがあった方が安心ですね。
フタの閉まり具合
こちらはひとつ前でお話ししたお湯が上からこぼれる問題の延長です。
フタがあったとしても、簡単に外れてしまっては結局お湯がこぼれてしまいますよね。
このようなことを防ぐために、しっかりとフタが固定できるものがおすすめです。
少なくとも、傾けた程度では外れないものを選ぶと良いでしょう。
本体に固定されているものや、ストッパーがついているものが安心ですよ。
Point.4 注ぎ口の形状
口先の形状
注ぎ口の形にはたくさんの種類があります。上の写真はその一例ですね。
注目してほしいのが、口先の鋭さです。
まずは①、②、③番を見てみてください。
これらの口先が鋭いタイプは細くゆっくり注ぐのが得意です。
口がすぼまっているいる分、お湯が細くなりやすいので、狙ったところにゆっくりと注ぐことが出来ます。
その反面、「お湯を太くスピーディに注ぐ」ことは少し苦手ですが、ドリップにおいてはゆっくりお湯を注いで味を作るのが
このタイプは、お湯のコントロールが比較的簡単で、初心者の方でも使いやすくておすすめですよ。
そして残った④番は万能タイプです。
コントロール次第で細くゆっくり注ぐこともできれば、太くスピーディに注ぐこともできます。
しかし、お湯を思い通りにコントロールするにはある程度練習が必要なので、上級者向きと言えるでしょう。
根本部分の形状
注ぎ口の根本形状には大きく分けて「細いタイプ」と「太いタイプ」があります。
実はこの違いによっても使い心地がが結構変わって来るんですよ。
ではそれぞれの特徴を見ていきましょう。
根本が細いタイプは非常にお湯のコントロールがしやすいのが特徴です。
多少ポットが揺れたとしてもお湯がブレることはほとんどありません。
安定した注ぎが出来ますので、初心者の方にはとてもおすすめですよ。
一方、耐久性に関しては少々劣ります。
特に根本の部分は破損しやすいので、取り扱いの際には注意が必要です。
太いタイプは耐久性に優れているのが特徴です。
根本の部分がしっかりと溶接されていて破損の心配は少ないと言えます。
一方、注ぎのコントロールは少々繊細です。
ドリップコーヒーを淹れる際は、ポットを円を描くように動かしますが、慣れないうちはこの円運動に合わせてお湯の勢いが強くなったり弱くなったりしやすいです。
思い通りに注ぐにはある程度練習する必要があるかもしれません。
Point.5 取手の形状
取手の角度
意外と見逃しがちなポイントですが、取手の角度はお湯の注ぎやすさに大きく影響します。
上の画像のように比較してみると製品によってかなりの違いがあることが分かりますよね。
さて、この角度ですが、角度が小さいタイプのものの方が注ぎが安定しやすくてオススメです。
なぜかというと、注ぐときの腕への負担が軽いからです。
お湯を注ぐときは当然ポットを傾けるわけですが、取手の角度が大きいものは元々角度がついているところから更に傾けないとお湯が出てきてくれません。
そのため、腕を大きくひねる形になり、必要以上に腕へ負担がかかってしまうわけですね。
当然、無理のある体制では注ぎもブレやすくなります。
なので、角度の小さめのものを選ぶと良いかと思います。
また、取手がループ状になっているタイプも、角度が小さいものと同様腕への負担が少ないのでおススメですよ。
熱伝導
ドリップポットにお湯を入れると、その温度が取手にも伝わってきます。
そのため、ドリップ中にじわじわと伝わってきて、最終的には熱くて持てなくなる。なんてことも起こったりします。笑
しかし、ポットの中には、取手が熱くならないように工夫されているものもあります。
その一例を紹介していきますので、参考にしてみてください。
取手が薄い2枚の金属板で作られており熱が伝わりづらいです。
実際に使用していますが、熱くて持てなくなったことはありませんよ。
取手に別の素材を使っているタイプです。木製やラバー製のものが多いですが、中には皮や植物のつるが巻いてあるものもありますよ。
電気ケトルタイプはポット内の温度が外に伝わりづらい構造になっているため、取手は熱くなりにくいです。
【番外編】直接加熱可能か
多くの場合、ドリップポットには別で沸かしたお湯を移し替えて使います。
なので、ドリップポットを直接火にかけることはあまりありません。
しかし、どうしても直接加熱して使いたい方は、以下のポイントをチェックしましょう。
|IHに対応しているか
ポットの中にはIHに対応していないものもあります。
IHで加熱したい場合は対応しているかどうかをよく確認しましょう。
|使用している五徳に乗るか
ガスコンロで加熱する場合は五徳のサイズに要注意です。
ドリップポットはスリムなデザインのものが多く五徳に乗らない場合があります。
その場合は、金網などに乗せる必要がありますので注意しましょう。