こんにちは、日本バリスタ協会公認のバリスタ、にっしーと申します。
さて、皆さんもご存じの通り、世の中には様々な種類のコーヒー豆が売られており、
豆の産地や焙煎度などの違いによって様々な風味を楽しむことができます。
それこそがコーヒーの大きな魅力のひとつなのですが、
豆選びに慣れないうちは、どれを選べばいいか迷ってしまいますよね。
ここでは、そのような豆選び初心者の方に向けて
「最初に飲んでみてほしいおすすめの豆」や「コーヒー豆を選ぶポイント」そして
「自分好みのコーヒーを見つける方法」を詳しく紹介していきます。
これらを押さえれば、お店に並んでいる豆を見るだけで、
どんな味のコーヒーが出来上がるか、ある程度予想することもできるようになりますよ!
目次
ポイント1:焙煎度を選ぶ
焙煎度とは
まず初めに、コーヒーの風味に大きな影響を与える「焙煎度」についてお話します。
皆さんが普段目にするコーヒー豆は、生のコーヒーの種を高温で焼いて作られています。
焙煎度とは、そのコーヒーの種を「どれだけ焼いたか」の度合いを表すものです。
大きく分けて「浅煎り」「中煎り」「深煎り」の3種類があり、
浅ければ浅いほど「明るい茶色」に、深ければ深いほど「こげ茶や黒」に近くなります。
焙煎度と味の関係性
コーヒー豆にはたくさんの種類がありますが、
コーヒーの味は、「苦味」と「酸味」のふたつの味のバランスで決まります。
そして、そのバランスは焙煎度を見ることで、おおよそ予想することができます!
では、苦味の強い豆と酸味が強い豆を見分けるにはどうすればよいのでしょう?
実は、焙煎度とコーヒーの味には次のような関係があります。
このように、焙煎が深くなるほど苦味が、浅くなるほど酸味が強くなります。
これは品種や産地にかかわらず、全てのコーヒー豆に共通して言える特徴です。
自分に合った焙煎度の見つけ方
では最後に、自分に合った焙煎度の見つけ方を紹介します。
まずは、ちょうど真ん中あたりの「中煎り」の豆を飲んでみましょう。
そして、より苦い方が好きか、酸っぱい方が好きか、確認してみてください。
より苦い方が好きな方は、少し深煎りのものを
より酸っぱい方が好きな方は、少し浅煎りのものを
次回購入時に選んでみてください。
これを繰り返していくと、必ず好みの焙煎度に近づいていきますよ!
中には「酸っぱいコーヒー」がピンとこない方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そういう方は、苦味のみに注目して判断していただいて大丈夫です!
「より苦味の強い方が好み」か、「より苦味の弱い方が好み」か、という具合です。
色々なコーヒーを飲むうちに少しずつ分かるようになりますので安心してください。
私も最初は、「コーヒーって苦いものじゃないの??」と思っていましたから。笑
ポイント2:産地を選ぶ
産地の選び方
産地によっても、コーヒーの風味は大きく変わってきます。
中には苦味や酸味が特別強かったり、少しクセのある香りを持つ豆もあったりします。
そういう「違いを語れる大人」ってかっこいいですよね^^
さて、そんな多種多様な豆の中で、好みの豆を探す方法ですが、
こればかりは様々なコーヒーを飲み、探していくしかありません^^;
ただ、何の目安もないとさすがに困ってしまいますよね。
なのでここでは、エリアごとのざっくりとした風味の特徴を紹介しますので、
それを手掛かりにして、ぜひ好みの産地を見つけてみてください!
アフリカエリア | ケニアやエチオピアに代表される、フルーティでスッキリとした風味が多い。 |
アジアエリア | インドネシアに代表される、濃厚でコク深い風味が多い。 |
中米エリア | 様々な風味の豆が混在しているエリア。特徴を一括りにするのは困難。 |
南米エリア | 日本人の思うコーヒーらしい風味ち、味のバランスが取れた豆が多い。 |
おすすめのコーヒー豆
私が最初に飲むコーヒーとしてお勧めしているのは、
「ブラジル」または「コロンビア」産の豆です。
こちらの豆はクセが少なく、我々の思う「これぞコーヒー」という風味を持っています。
また、価格も手ごろで購入しやすいところもポイントですね。
こちらを最初に飲んでもらうことで、普段飲んでいるコーヒーと味の比較がしやすく、
より淹れたてのコーヒーの違いを感じていただけると思います。
もしも、「ありきたりな味では満足できない!」ということでしたら、
いくつか特徴的な風味を持つ産地を紹介しておきますので、参考にしてください。
主にスマトラ島で生産されているコーヒー豆。
独特な穀物系の風味を持つ。
少しクセのある風味だが、そこがイイと愛飲する人も多い。
野菜っぽい(ベジーな)風味を持つ豆。
強い酸味も特徴で、深入りにしても酸味が飛びにくい。
すっきりとしたコーヒーが好きな方に好まれる。
ポイント3:ブレンドかストレートを選ぶ
複数種類の豆を混ぜたものをブレンド、逆に1種類のみのものをストレートと呼びます。
よく「ブレンドとストレートどちらがいいですか?」という質問を耳にしますが、
実はそれぞれ楽しむポイントが違うため、一概にどちらがいいは言えません。
でも、それだと「じゃあどちらを選べばいいんだ?」と困っちゃいますよね。
これからコーヒーを始めたい、という方はブレンドから飲んでみることをお勧めします。
なぜなら、次のような特徴があるからです。
ブレンド
・風味の調和がとられており、バランスの取れた味に仕上がりやすい。
・風味を補い合うことで、シーズンによる味が変化が生じにくい。
ストレート
・それぞれの豆の個性を感じ取りやすい。
・産地の気象環境によって、シーズンごとに味が変化することがある。
コーヒー豆は農作物ですので、その年の気候条件によって風味が変わります。
ブレンドは、そのブレを補い合い、常に安定した風味と調和を楽しむことができます。
また、逆にストレートは、味の個性や変化を楽しむことができるというこですね。
ブレンドは風味が安定しているので、
自分の淹れ方ひとつでどれだけ味が変わるのか、体験しやすいです。
そのため、はじめはブレンドから始めることをお勧めしています。
もちろん、皆さんのスタイルに合わせて、ストレートから飲んでも大丈夫ですよ!
ポイント4:メッシュを選ぶ
メッシュとは
コーヒーの粉の粗さのことをメッシュと呼びます。
自宅にコーヒーミルがない場合は、お店で粉に挽いてもらうことになります。
メッシュもコーヒーの風味に大きな影響を与える要素なので、
ポイントを押さえて好みのメッシュを選びましょう。
メッシュはその粗さによって呼び方が変わります。以下がその一例です。
極粗挽き(ごくあらびき) | ||
粗挽き(あらびき) | ||
中粗挽き(ちゅうあらびき) | ||
中挽き(ちゅうびき) | ||
中細挽き(ちゅうほそびき) | ||
細挽き(ほそびき) | ||
極細挽き(ごくほそびき) |
メッシュの選び方
メッシュを選ぶうえで、覚えておいていただきたいポイントが2つあります。
それは
・抽出器具によってある程度のメッシュが決まる
・メッシュによってコーヒーの濃さが変わる
ということです。
以下に、ポイントの詳細がありますので、ぜひ参考にしてみてください!
抽出器具とメッシュの関係
抽出器具によって、適したメッシュの範囲があります。
以下の表に抽出器具ごとのおすすめメッシュをまとめましたので、
使用する器具に合わせてメッシュを選んでみてください。
また、お店で挽いてもらうときには、「ドリップコーヒー用の粗さに挽いてください。」
などと伝えるとそれに適した粗さで挽いてくれますよ^^
スーパーなどで粉の状態で売られているコーヒー豆は中挽き程度のものが多いです。
ドリップには最適ですが、サイフォンなどでは少し濃くなるかもしれません。
また、一度粉に挽いた豆は、もう一度挽くことはできませんのでご注意ください。
メッシュと風味の関係
さて、抽出器具ごとに適したメッシュの範囲があることはわかりました。
では、その範囲の中でどのように選べばよいのでしょうか?
そこで登場するのが、「メッシュによってコーヒーの濃さが変わる」というポイントです!
このポイントをさらに具体的に言うと、
「メッシュを細かくすると濃厚な味わいに、粗くすればすっきりした味わいになる」
と言い換えることができます。
つまり、濃厚なコーヒーが好みの方は範囲内でより細かく挽く。
そして、スッキリしたコーヒーが好みの方は範囲内でより粗く挽く。
そうすることで、より好みのコーヒーに近づくことができます!
自分に合ったメッシュの見つけ方
では、最後に自分に合ったメッシュの見つけ方を紹介します。
こちらも、焙煎度を見つける際の手順と同様になりますが、
最初は、各抽出器具のメッシュ範囲の中間の粗さで飲むことをお勧めしています。
そして、濃厚にしたければ細かく、スッキリさせたければ粗く調節します。
こちらを繰り返していくことで、自分に合ったメッシュを見つけることができますよ。
ただしここで1つ注意点があります。
メッシュを細かくしすぎると、俗に「雑味」と言われる嫌な味まで出やすくなります。
濃厚なコーヒーが好きでも、細かくしすぎには注意しましょう!
まとめ
以上が、コーヒー豆の選び方です。
色々なポイントがあって複雑に感じた方もいるのではないでしょうか?
最後にポイントをまとめておきます。
◆初心者にお勧めのコーヒーは?
『ブラジル』or『コロンビア』産の中煎りブレンドコーヒー
◆コーヒー豆を選ぶポイントは?
・焙煎度
・産地
・ブレンド or ストレート
・メッシュ
◆好みの味に近づけるには?
コーヒーを飲んでみて・・・
・もっと苦味が欲しい → 次回はもう少し深煎りの豆に挑戦!
・もっと酸味が欲しい → 次回はもう少し浅煎りの豆に挑戦!
・もっと濃厚な方が好き → メッシュをもう少し細かくなるように調整!
・もっとすっきりした方が好き → メッシュをもう少し粗くなるように調整!
まとめてみると、意外と簡単そうじゃないですか?
是非、色々な豆に挑戦して、自分の好みのコーヒー豆を見つけてください!
よくベリー系の香りと例えられるコーヒー豆。
ナチュラルとは豆の製法の名前で、他にウォッシュドなどがある。
ナチュラルの方がベリー系の風味が強い傾向がある。